中村朱美さんが代表を務めるのは、京都・西院にある国産牛ステーキ丼専門店「佰食屋(ひゃくしょくや)」。赤身にこだわった国産牛を、自家製タレで旨味豊かに仕上げた「国産牛ステーキ丼」を求め、連日行列が絶えない人気店だ。
創業当初から掲げてきたのは、「1日100食限定、売り切れたら閉店」という独自のスタイル。過剰な仕入れや長時間労働、食品ロスを徹底的に排除し、飲食業界では珍しい "夕方に帰れる" 職場環境を実現している。この仕組みの背景には、幼い頃に飲食業に従事していた両親のもとで、家族揃って食卓を囲む時間が少なかったという経験から。
大学卒業後は教育関係の仕事に就いたものの、「家族の時間を大切にしたい」との思いから、夫が得意とするステーキ丼を商品に、夫婦でこの「佰食屋」を開業。以来、従業員全員が無理のない働ける持続可能な経営モデルを築いてきた。
現在では、社会課題の解決に挑む新しい飲食ビジネスの先駆けとして全国から講演依頼が相次ぎ、2025年9月には文部科学省よりアントレプレナーシップ推進大使に任命。全国の児童・生徒たちに「働くことの意義と素晴らしさ」を伝え続けている。

