AIを活用して見つけた動植物の名前を判定し、図鑑を作成したり、他のユーザーと情報を共有したりできる無料のアプリ「Biome(バイオーム)」を開発する「株式会社バイオーム」の代表。大阪の出身。
子供の頃から生き物が好きで、近くにあった大和川でよく釣りをしていた。そこでとにかく釣れた魚が、外来魚の「ブルーギル」。この体験をきっかけに環境問題の解決に貢献できる仕事につきたいと思うように。京都大学に進学し、インドネシアのボルネオで生態調査を行った。熱帯雨林が次々に伐採されている悲惨な状況を目の当たりにし、根底に「木を伐採し環境を破壊すると、お金になる」という経済原理が働いていることを強く実感。
「環境を守ることで儲かる」モデルケースを作らなければと企業を決意。事業として考えたのが、いきものコレクションアプリの開発。ボルネオの奥地でも現地の人がスマホを持っていたことをヒントに、世界中の人に生物の写真を撮ってもらいデータを集める仕組みを作れば、そのビッグデータを活用してビジネスにできるのでは?と考えた。
位置情報付きの生き物写真の投稿を収集したデータを解析し、研究機関や企業に販売することでビジネスにする仕組みを作り上げた。ユーザーにはゲーム感覚で生き物を探して集める楽しさを感じてもらいつつ気軽に環境保全に参加できることを知ってほしいと考えている。