「金網つじ」の2代目。受け継いできた伝統技術を守りながら現代に合った新しいものづくりに挑戦し続けている。
職人の家で育ったが、幼少期はとても活発で、サッカーに明け暮れていた。朝から晩まで休みなく働く両親を見て育ち、家業は「絶対に継ぎたくない」と思っていた。
高校卒業後、HIPHOP系のアパレルで働き始め順調にいっていたが、「仕入れたものを売る」ことや「自分じゃなくてもできる仕事」に違和感を抱き始める。そんな時、実家で黙々と仕事に取り組む両親のブレない姿を見て、不意に「かっこいい、やってみよう」と心が動き、21歳で家業に入ることを決意。
家業に入った当時の売上は問屋への卸が中心だった。「自分たちで作ったものを、自分たちで直接売りたい」と考えるが、実直な職人である父とは意見がぶつかり、毎日揉めていた。
ある時、父が一生懸命作ったものが問屋で適当に扱われているのを見て奮起し、卸を辞めて直営店での小売りに大きく舵を切る。
「職人は作家ではない。社会の『こんなものがあったらいいな』という想いに技術で応える存在」という父の教えを胸に、お茶が世界中で飲まれることに着目した「茶こし」や「ランプシェード」など、現代の暮らしにフィットする道具を次々と開発。海外(ジャマイカやアメリカなど)での経験を通じて、社会の「多様性」の大切さを痛感。
伝統工芸の「モノづくり」には、学歴や性別は関係ない。女性スタッフや、ハンディキャップを持つ若者たちを積極的に雇用し、誰もが活躍できる環境を作っている。社会全体をすぐに変えることは難しくても、自分の周りの小さな社会は変えられる。「工芸を通じて、誰もが活躍できる多様性のある社会を作る」ことが、これからの自分の夢だと力強く語る。

