交差点の角に置かれ、車が曲がる時に家や塀に当たらないように守る「いけず石」。実は注意喚起をして無用のトラブルを防ぐための気遣いの石だ。杉村さんはこの「いけず石」の写真に撮ってまとめた「いけず石 観察手帖」を出版している。
出身は千葉県松戸市で大学時代から、ライターとして活動していた。醤油の文化に興味を持ち、醤油の記事や本を書いたりしていたが、淡口醤油の文化圏の関西に住んでみたいと2014年に京都に移住。そのころ話題になっていた「ポケモンGO」に刺激を受けて始めたのが「石碑GO」。京都の街を練り歩き、石碑の写真を集めていたが、そんな時に「いけず石」の存在を知る。そのネームングと、成り立ちに感動しすっかりハマっていった。
いけず石 観察手帖は3冊で約2000冊を販売。言葉を介さなくても、お互いにトラブルにならないよう、石だけでコミュニケーションをとれる京都人のスマートさが「いけず石」に表れていると杉村さんは考えている。