寄田さんは主に古典的な曲を扱う尺八の流派「琴古流(きんこりゅう)」で、16歳のころに大師範となった尺八奏者。
「尺八」は音を鳴らすには半年かかると言われ非常に難しい楽器とされる。小学生のころ、リコーダーは吹くのが好きだった寄田さんは、両親の知人に薦められ尺八教室の体験へ。その時に初めてで音が鳴り、周りの大人たちに称賛され、趣味として始める。
高校生の頃、京都・明暗寺で尺八の大会に出場した際に、谷口嘉信さんの演奏を聞き、その演奏に涙を流すほど感動。谷口先生を師として、毎週末片道2~3時間かけ、京都峰山で修業を始めることに。修業を始めて2年が経ったころ全国最年少で琴古流大師範となる。
大師範となってからは、全国各地でリサイタルを開き、個人の場だけでなく、ほかの演奏家と混じって披露する場も増えていく事に。自身が谷口先生の演奏で感銘を受けたように、他の子どもたちに幼いころから「本物」にふれてほしいと語った。