番組審議会

2月番組審議委員会

開催日 令和5年2月27日(月)午後4時~5時30分
開催場所 KBS京都放送会館 3階 第3会議室
出席者 審議委員9名

議題

ラジオ番組 「私は戦災孤児だった "駅の子"と呼ばれた私たちは、どんな存在だったのか」について合評

 番組の合評では、今月の合評対象番組であるラジオ番組「私は戦災孤児だった "駅の子"と呼ばれた私たちは、どんな存在だったのか」について各委員が意見を述べました。
 編成担当者からは「ラジオでは、月曜から金曜日の朝6時30分から10時まで、『笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ』を生放送しています。毎朝7時15分頃スタートの『ほっかほか今朝(けさ)の聞くサプリ』という15分程度のコーナーでは、社会問題に対して活動している当事者や主催者、関係者に話を伺い、日替わりで放送しています。毎年8月には、終戦記念日の前後1週間で、『戦争の恐ろしさや悲惨さを後世に伝え、平和について考える』をテーマに放送しています。過去の放送では、舞鶴空襲や建物疎開の体験談、横井庄一さんの人生をたどった絵本の紹介等、多彩な内容をお届けしてきました。2021年に語り部としてご出演いただいたのが、元戦災孤児の小倉(おぐら)勇(いさむ)さん。大変衝撃的な内容を情感豊かにお話しいただき、放送終了後、『心を動かされた』『涙なしに聴けなかった』等々、多くの反響がありました。貴重な体験を15分ではとても紹介しきれなかった思いが制作者に残り、翌2022年に改めて再取材・編集し、前編・中編・後編と3日に分けて紹介したところ、今回も多くの反響と再放送を望む声が寄せられました。戦争の理不尽さ、悲惨さを赤裸々に語る小倉さんの重みのある肉声には大きな力があります。元戦災孤児の一人である小倉さんの怒りや悲しみをラジオを聴いているみなさんと共有することで、戦争の悲惨さを噛み締め、一緒に平和の大切さを考えたいとの想いで、特集番組を企画しました。地元ローカル局として、貴重な生の声を戦争の記録として今残さないとならないという使命感を原動力として、『辛い記憶なので本当は語りたくないけれど、やはり語って伝えていかなければならない』という小倉さんの姿を真摯に受け止めながら、改めて取材し直し、本特集番組を制作しました。子どもを守る平和な社会であってほしいという、小倉さんの強いメッセージをリスナーのみなさんに伝えるために、できる限り小倉さんの肉声を活かし、生い立ちや戦災孤児の体験を中心にまとめました。」との説明がありました。
 委員からは「弱者の証言こそ消えてしまう。それを残したことに大きな意味がある。」「戦争の悲惨さをラジオの特性を生かして作っているところが良い。15年近く番組審議委員をしてきたが一番良い番組であった。」「東京や広島での空襲の話しはよく聞くが敦賀での空襲の話しは初めて聞いた」「聞き終わった後、映画を見た後のような重厚さがあった」「普通に暮らしていたのにいきなり戦争で両親を亡くしてしまう状況が、今のウクライナ情勢にリンクして、本当にこのようなことが世界で起こっているのだと改めて思わされた」「小倉さんの思いが映像ではなく声だけだからこそよく伝わってきた」「一番守らなければならない子供たちが受けた戦後の歴史こそ伝えないといけない」「小倉さんの体験が教科書になる。考える材料としてこの番組を聞いてほしい」「戦争孤児が保護されるまでに3年以上かかっている。もっと何とかできなかったのかと憤り感じた」「終始穏やかな語り口が戦中戦後の本当に過酷な時代をむしろ際立たせていた」「なぜ敦賀が日本海側であるにもかかわらず空襲されたのかという説明があっても良かった」「オーラルヒストリーの難しさもあり記憶と事実が違う場合はどう放送するべきか」「車の運転をしながら聞くには難しい番組ではないか」「楽曲の選び方をもう少し考えてもよかった」」などのご意見をいただきました。

(番組審議会事務局)

令和4年度 株式会社京都放送 番組審議会委員(2月例会出席者)
若林 卯兵衛 (株)若林佛具製作所 取締役相談役
平林 幸子 京都中央信用金庫 相談役
松本 和加子 京都市文化観光資源保護財団 専務理事
松田 規久子 京都新聞社 編集局文化部長
雨宮 章 京都府立府民ホール及び文化芸術会館 館長
寺脇 研 京都芸術大学 理事
鈴鹿 可奈子 聖護院八ッ橋総本店 専務取締役
新村 恭 一般財団法人 新村出記念財団 嘱託
森本 淳生 京都大学人文科学研究所 准教授

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