今回は、京丹後市網野町で、創業36年目を迎えるレストラン「マ・メゾン」から番組をお届けします。

現在、店を開いた父親と一緒に厨房に立つ井上さん。創業36年とは思えないレトロ・ロマンティックな建物は、お父さんが修行先の東京の店をイメージして、新築で設けたもの。店内至る所にアンティークなインテリア、小物が並べられ、歴史を重ねてきたものだけが放つ独特のぬくもりに満たされています。

創業当時から変わらないデミグラスソース。一方で、最近のお客さんのニーズにも応えようと、新しいメニュー開発にも挑戦を続けています。お米をはじめ、丹後の農産物も色々、使って頂いているのだそう。

かつては、葉タバコの一大産地だった丹後ですが、平成23年にタバコの生産が終了。一時は、広大な休耕地が出ることが心配されましたが、自治体やJA等が連携して、新規就農者の入植をサポート。53の国営開発農地のほぼすべてが埋まるまでになりました。古代より恵まれた自然を生かして、様々な農業が営まれてきた丹後。その歴史を受け継ぎつつ、「京野菜の一大産地」へと変わりつつある姿を、現場からリポート。独特な土質が生み出した最高品質の野菜を使って、井上さんに料理を作って頂きます。

語り合う出演陣

守るべきものは守り、いかに挑戦を続けていくか、その「やりがい」について語り合う出演陣。


レストラン「マ・メゾン」

今回の番組の舞台となったレストラン「マ・メゾン」(京丹後市網野町網野138 0772-72-4269)

井上さん親子

厨房に立つ井上さん親子。とにかくメニューの品数が多いため、日々、相当な時間を仕込みに費やしています。守り受け継ぐ味と挑戦で出来た一皿が、ここから生まれています。

西洋にんじんと聖護院だいこん

今回、お店に持ち込ませて頂くことになったのは、西洋にんじんと聖護院だいこん。まだ土づくりに課題が残る丹後の国営農地ですが、新規就農者の多くが、加工用のキャベツやにんじん、ごほう等の栽培に力を入れています。一方で、良質な砂地を活かし、ブランド京野菜の生産も伸びてきています。

竹田さん

茨城の農業生産法人で修業した後、出身地の大阪の近くで広い農地を探していたという竹田さん。紹介を受けて入植した丹後はまさに自身が思い描いた理想の地だそう。現在は、にんじんを主にイモ類やキャベツの栽培に取り組んでいます。

にんじんを洗う

にんじんを洗う作業は、すべて機械で。今後は3ヘクタールという農地のスケールメリットを活かし、耕作等の作業も機械化して「もうかる農業」を実践していきたいとのこと。

吉岡さん

海岸近くの圃場で、聖護院だいこんや賀茂なす等のブランド京野菜を栽培する吉岡さん。父の代までは、桃などの果樹を生産してきましたが、自身は畑作に挑戦したいと、30年前から砂地での野菜づくりを続けてきました。

吉岡さん

砂地は水はけが良く、うまく管理すれば、糖度の高い野菜を作る事ができます。吉岡さんは、毎年肥料や水の管理を工夫。丹後の砂地でのブランド野菜栽培に道をつけた先駆者でもあります。

ハンバーグ

「マ・メゾン」一番の人気メニューは、ハンバーグ。にんじんとスープでじっくり炊き込んだ聖護院だいこんも、自慢のデミグラスソースと一緒に楽しめる一皿。