今回の夢追人は、京都市北区の樋口豪宏さんと滋賀県彦根市の辻岡逸人さんを訪ねました。(リポーター:稲富菜穂、西上真帆)

【京都編】

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京都市北区鷹峯(たかがみね)にやってきました。この鷹峯街道は若狭へと続くかつての鯖街道の入口です。ここは古くから京野菜の産地として知られているそうです。街道沿いの市街地ですが、自然もいっぱい。緑がきれい~あそこかな?

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今回の夢追人・樋口豪宏(たけひろ)さん、37歳。京都鷹峯で400年続く農家の15代目です。鷹峯に代々守ってきた農地はハウス13棟、そのほか京都の桂と亀岡市に新しく取得したおよそ2ヘクタールの土地で14代目の父と力を合わせ季節ごとに多品目の野菜を育てています。

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こちらはいつもひぐちさんの野菜を使ってくださっている料理人、加藤さんです。樋口さんの野菜に惚れて日参しているそうです。
「うちの畑には料理人の方が来て野菜作りを学びそれを料理に活かすために作業を手伝ってくださったりもするんです」と豪宏さん。

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作業する豪宏さん。子どものころは家で食べる野菜が大嫌いで農業なんて絶対いやだと思っていたという。あこがれの職業はスーツを着て決まった時間に働くサラリーマンでしたが、頭の中にはどこかで農業をやらなければいけない、そんな思いがあったようです。

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豪宏さんは現在、就農して17年。「やらされたというか...10年ほどはいやいやでした。やりがいを感じ始めたのはそれからですね。10年かかりましたが今は趣味と言っていいくらい楽しいですね。」

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「少量多品目より作物を絞ったほうが効率がいいのは確かなんですが、この辺りは昔から振り売りの文化があって」いろんな野菜を売り歩き、お客さんに買ってもらう、というのが伝統なんだそうです。

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樋口農園の野菜は市場にはほとんど出回りません。料亭やレストランに直接卸すか樋口農園の野菜のファンが直接買いに来られるようにと開設された直売所と自宅の軒先に近所の方々むけの販売スペースに出される程度です。

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樋口農園では子供たちの食育にも力を入れています。父の昌孝さんは野菜の生産者としてだけでなく、京野菜を中心とした食文化の提唱者として料理人や食通の間では知る人ぞ知る重鎮です。樋口農園の野菜を使った食事会も定期的に企画されています。

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息子の豪宏さん気持ちはよくわかるそうです。「家業である農業を継ぐことは僕のほうがもっと嫌がっていた。」と昌孝さん。

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樋口豪宏さんの夢は...
「400年間続く、この土を守りたいという思いは当然あります。ここの土でしか作れない野菜の味もありますから。でももっと美味しい野菜をつくり、野菜嫌いをなくしたい。子供が食べておいしい野菜を作りたいというのが僕の夢です。」

【滋賀編】

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滋賀県彦根市北山甲崎町にやってきました。広い農地にぽつんとあるハウスが目印だそうですが... 早速行ってみましょう!

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今回の夢追人・辻岡逸人さんは農業には全くの無縁だった新規就農さんです。東京大学在学中に持ち前の探求心からコンピュータのプログラミングをマスター。入社した会社のIT化に貢献し、指導やメンテンナンスの為に各支店を飛び回る毎日を経験。子どもが生まれたこともあり、移動のない仕事をと奥さんの実家のある彦根市へ。農業の傍ら教育活動も積極的に取り組んでいます。

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辻岡さんはゼロからのスタート。運が良かったのは奥さんの実家には畑があったこと。JAや県に相談したところ、初期費用が抑えられて土を耕さないベンチアップを進められました。トマト、いちごなど数々の作物を進められましたが大好きな「トマト」を選択。就農19年目の現在はハウス3棟でトマトをメインにメロンも栽培しています。

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見てください!みずみずしくておいしそう!これが地元で有名な「辻岡トマト」です!

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おいしくなる秘訣がわからないという。マニュアル通りのやり方しているだけだと辻岡さん。しかしなぜマニュアルにそう書いてあるのか理解した上で取り組む。それが辻岡さんにとっての「マニュアル通り」なんです。あらゆる角度から検証し、仮説を立てながら一つ一つ答えを確かめて理解する。辻岡さんはそうしてトマトを栽培してきました。

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真剣な表情で作業する辻岡さん。過去に一度全滅した経験も... 少しの変化も見逃さず、トマトと会話することに集中しています。

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収穫したトマト。作業場で大きさを選別します。

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収穫したてのトマトをいよいよいただきます!
甘くてマイルド~青臭さがない!やわらかい~

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辻岡さんはトマト農家の傍ら、12,3年前から子どもが夢を実現させるためのサポートをする寺子屋活動もしておられます。彦根市には彦根藩時代の寺子屋施設が残っており、まさにその場所で現代版寺子屋されているそうです。進学塾とはちょっとちがう... 勉強ではなく生き方を考えることを伝えているのだとか。

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辻岡逸人さんの夢は...
「トマトの声を聴くことです。トマトは匂いでコミュニケーションを図っているのではと考えています。虫に食われちゃった、とか水が足りないとかトマトもおかれた状況で違う匂いを出しているんです。一度全滅したときの匂いが強烈に記憶に残っていて...つまりトマトの匂い物質をすべて解明しトマトの翻訳家になることが夢です。翻訳できればより美味しいトマトを皆さんに食べていただけると考えています。」(辻岡さん)


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