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菩薩が人々を極楽浄土へ導く様子を表現する「二十五菩薩お練り供養」が、京都市東山区の泉涌寺の塔頭・即成院で営まれました。即成院では、本堂を来世、地蔵堂を現世に見立て、その間に長さ60mほどの木製の橋が架けられました。供養では、まず笙や龍笛を奏でる楽人や修験者、それに華やかに着飾った稚児らが行列を作り往復します。三往復目に入ると、地蔵菩薩に先導され、きらびやかな金色の面を着用し、金襴の衣装をまとった二十五の菩薩が姿を現します。中でも観音・勢至・普賢の三菩薩は独特の所作をしながら橋を進みます。「お練り供養」は臨終を迎えた人の前に阿弥陀如来が菩薩を伴って現れ、極楽浄土へと導くとされる「来迎」思想を具現化したものです。雅楽や御詠歌(ごえいか)の調べが響く中、菩薩らはゆっくりと歩みを進めて橋を往来し、参拝者らは厳かで華やかな行列に見入っていました。即成院のお練り供養は、今年3月、京都市の無形民俗文化財に登録されています。