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江戸時代に進化した出版技術が、庶民の生活を大きく変えたという展覧会が宇治市で行われています。宇治市の源氏物語ミュージアムでは、100点を超える資料が展示されています。江戸時代の版元いわゆるプロデューサー・蔦屋重三郎は、歌麿、写楽などを抱えこれまでは、主に知識や教養のために存在した書物を江戸の庶民のために発行し、洒落本や知的ナンセンス本である黄表紙をヒットさせましたが、会場にはそれらの本が展示されています。また、江戸時代に流行した多色刷りの錦絵は一大ブームを巻き起こしました。それまで、貴族の楽しみだった源氏物語が、江戸時代の庶民の知的好奇心を刺激しました。しかも、架空のヒーロー・足利光氏が活躍する源氏物語のパロディー本「偐紫田舎源氏(にせむらさき・いなかげんじ)」が出版文化を、さらに花開かせました。当時の書物を鑑賞できる特別企画展は12月14日まで開かれています。