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8月にブラジルで開催された新体操の世界選手権では、女子団体総合で、日本が初めて金メダルを獲得する快挙を達成しました。
盛り上がりをみせる新体操、一方で男子の新体操は、日本発祥のスポーツで、日本のみ行われている競技です。
その大学日本一を決める大会が行われました。
花園大学新体操部。
2週間後の全日本インカレにむけて猛練習に励んでいました。
男子団体競技は、女子とは異なり、種具を使わずに宙返りやバク転などのアクロバットな技が入ることが特徴です。
4年生2人、2年生2人、1年生1人で挑む今年の花園。
指導する竹内陸監督は、選手時代のある経験をもとに、選手らにはポイントだけを伝えるようにしていると言います。
【声】花園大学 竹内陸 監督
「緊張したときに、自分の身体がどういう風に動かなくなるか、頭の切り替えができなくなってしまうのかを、自分自身が把握しきれていなかったからこそ、ミスにつながることが多かったので、今年は自分たちでメンタルケアや技術力をあげて、自分たちで演技する、自分たちで本番までもっていくことに意識して取り組んだ」
【声】
「あー、俺、曲がってるわ。
抜きは自然にできるから、その分しめ」
選手らは本番に向け、動画を見返しては、5人の動きがぴったりと揃えられるように、何度も何度も繰り返し練習を行いました。
【声】花園大学 4年 岩永京大キャプテン
「試合が近くなってきているので、みんな緊張感のある練習になっている。
自分たちが見せたいポイントを観客に伝えたい。
結果として優勝がついてくるのが一番いいと思います。
完璧な演技ができるように仕上げていこうと思います」
そして迎えた本番、一発勝負の舞台に選手らが立ちます。
5人の息をぴたりと合わせます。
美しさと表現力の豊かさが特徴という花園の団体演技、独特な音楽のリズムに合わせて、跳躍や倒立、バランスといった静止技だけでなく、宙返りなどのタンブリングや転回技でも、一糸乱れぬパフォーマンスで観客を沸かせます。
練習の成果をに存分に発揮し、2分30秒を演じ切りました。
結果は7年ぶりとなる3位入賞で、11月に行われる全日本選手権への切符を掴みとりました。
【声】花園大学 4年 岩永京大キャプテン
「メダルを目標にがんばっていたので、無事3位に入ることが出来てうれしいです。
自分たちの予想以上にプレッシャーや緊張があったが、不安なことをみんなで共有して、そこはチーム力でカバーできたかなと思います」
【声】花園大学 2年 濱口侑統選手
「夏の暑い中で毎日苦しい中、5人がしっかり力を合わせてやってきたので、それが出たのがうれしい」
【声】花園大学 1年 笹原實選手
「だいぶ良い演技が出来たと思うんですけど、今回出たミスが全日本選手権ではもっと改善される自信があるので、めっちゃうれしいです」
一方、個人の身体能力や表現力が前面に出る個人競技。
男子新体操では、スティック・リング・ロープ・クラブを用い、4種目の総合得点で競います。
スティックで種目別1位に立ったのは、同志社大学2年の田中千紗仁選手。
自分にしかできない構成だと自信をのぞかせるこの種目では、身体の線をしっかりとみせた演技を披露します。
去年は、2種目で手具を場外に出してしまった悔しさから、扱いをより丁寧にする練習を重ねてきたという努力が実り、高得点をマーク、2種目を終えて5位につけます。
新体操一家に育ち、小学4年生から新体操を始めた田中選手。
審判員として父・昭仁さんが、そして観客席では母・香織さんが見守る中、競技2日目のクラブでは2本を同時に投げて受けるという高難度の技を成功させます。
今年度から採点基準が変わるなど、新ルールへの対応に苦戦した選手が多かった中、大きなミスもなく4種目を終えた田中選手。
同志社史上初となる優勝を飾りました。
【声】同志社大学 2年 田中千紗仁選手
「棚から牡丹餅というか、本当に驚きではありますが、自分のベストを尽くした結果がこうい形で返って来て、とてもうれしく思います」
高校3年生の選抜大会以来となる全国優勝に、父・昭仁さんと母・香織さんも健闘を称えますが
田中選手はこの優勝を謙虚に受け止めます。
【声】同志社大学 2年 田中千紗仁選手
「自分の中ではまだ70点くらい。
リングでミスが出てしまったり、他の種目でちょっとずつ乱れがあったので、そこをしっかり詰めて練習していきたいと思います」