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立命館大学のアメリカンフットボール部に入部した才能豊かな新人選手にフォーカスを当てます。
二刀流を掲げ、夢は3年後のオリンピックの金メダルです。
去年、立命館大学パンサーズは、ランニングバック22番、キャプテン山嵜大央(現・富士通)がチームを率い、9年ぶり9回目の大学日本一に輝きました。
山嵜は、決勝戦の「甲子園ボウルMVP」と、年間最優秀選手賞の「チャック・ミルズ杯」を受賞し、学生生活を締めくくりました。
今年も負けていません。
秋の本番に向け、新チームは戦力強化に取り組んでいます。
この日は、京都大学と試合を行いました。
去年の日本一を支えたメンバーも健在です。
司令塔QBの竹田剛は、最終学年を迎え、さらに磨きをかけたパスを見せつけます。
試合は、立命館が京大を圧倒して、40対14で勝利しますが、就任2年目の高橋健太郎監督は手厳しく課題をあげます!
【声】立命館大学パンサーズ 高橋健太郎 監督
「非常にいいチーム作りができていたと思っていたが、一体感の中でこれくらいでいいや、という所を設定してしまった。
きょうは突き抜けたパンサーズを見せられなかった」
この試合、最もスタジアムを沸かせたのは、去年の絶対的エース、キャプテン山嵜の背番号22を継承するルーキーのランです。
第3Q、1年の奥村倖大がオフェンスに入ると、ボールを持った瞬間、次元の違うスピードで、京大のディフェンスを置き去りにします。
31ヤードを走り切りタッチダウン。
奥村のランには先輩たちも舌を巻きます。
【声】立命館大学パンサーズ LB 4 副将 酒井大輝 選手(4年)
「率直にやばい。
やばい選手が来たという感じです」
リターンでも奥村は、巧みなステップでおよそ60ヤードをゲインするランを見せます。
誰も止められない驚異のラン、奥村はアメリカンフットボール以外に、もう一つの顔を持ちます。
3年後のロサンゼルスオリンピックで新しい種目として採用されたフラッグフットボールの日本代表・強化指定選手に選ばれているのです。
【声】立命館大学パンサーズ RB 22 奥村倖大 選手(1年)
「すごく険しい道のりと言いますか、大変な道を頑張ろうとしているとこなので、ここからどうなるか、正直わからない」
アメリカンフットボールをもとに生まれたフラッグフットボールは、タックルのかわりに腰の左右につけたフラッグを取り合う安全性の高いスポーツです。
ヘルメットなどのプロテクターも必要ありません。
幼い頃から、奥村は、この競技の第一線で活躍してきました。
【声】立命館大学パンサーズ RB 22 奥村倖大 選手(1年)
「小学校からずっと一筋でやってきた大事なスポーツなので、僕の中でその種目でオリンピック目指せることは、すごくうれしい。
年齢的にも、すごくいいタイミングで種目化されたので・・・」
滋賀県草津市生まれの奥村は、小学1年からフラッグフットボールを始め、抜群センスと身体能力で才能を開花させます。
小学校と中学校時代に、全国制覇、また世代別(U-15・U-17)の日本代表にも選ばれてきました。
そして高校から始めたアメリカンフットボールでも才能を発揮します。
去年、追手門学院高校の中心選手としてチームを引っ張り、高校日本一に輝きました。
立命館大学も奥村の才能を全面的に認め、二刀流を応援しています。
【声】立命館大学パンサーズ DB 2 今田甚太郎 主将
「きょうみたいに奥村が走ることで、みんなの勢いもつく。
(3年後)奥村が、もしフラッグフットボール日本代表とかオリンピックに出たら、さらに刺激になる」
【声】立命館大学パンサーズ 高橋健太郎 監督
「応援している。
奥村選手がフラッグフットボールをやることによって、フラッグからの学びをチームに還元してもらいたい。
パンサーズでやっていることをフラッグに還元して欲しい」
今年3月、フラッグフットボールの日本選手権では、日本代表を数多く輩出する「京都ジュベナイルズ」のメンバーとして大会に出場して、準優勝に貢献しました。
アメリカンフットボールとフラッグフットボールの二刀流を掲げ、大きな夢を抱く奥村ですが、決しておごることなく走り続けます。
【声】立命館大学パンサーズ RB 22 奥村倖大 選手(1年)
「やっぱり一番迷惑をかけているのは親で、すごく応援してくれて、どんどん行けって、言ってくれているのですが、海外遠征の出費とか、いろんなとこで、負担をかけている。
オリンピックで世界一、金メダルを取ることで恩を返したい!」