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高さおよそ5mの壁に設定された課題を制限時間内にいくつ登れるかを競う「ボルダリング」。
去年、この競技でユース世界大会の銅メダルに輝いたスーパー中学生、京都精華学園中学校3年の村上和香さん。
去年8月に中国の貴陽で行われた世界ユース選手権のボルダリングで銅メダルを獲得したスーパー中学生です。
和香さんがボルダリングを始めたのは、小学校1年生の時。
雲梯や登り棒が好きな和香さんに合うのではと、お母さんに連れられ、近所のジムを訪れたことがきっかけでした。
【声】村上和香さん
「保育園の頃、登るのが好きだったから、木登りをしていて先生に注意されて、それで行かせてもらったのかな」
さらに登ることにはまっていったという和香さん、近所のジムが閉店した後は、京都駅近くにあった老舗ジム・京都クラックスのスクールに通い、めきめきと頭角を現しました。
【声】母 村上綾さん
「日々泣いてました。
登れないから悔しい、でも登る、
また登れない、泣く」
そして去年初めて16歳以下の日本代表に選ばれ、8月に海外の大舞台を経験しました。
決勝では多くの選手が難しい課題に苦しむ中、和香さんは3つの「ゾーン」に達し日本女子では唯一、メダルを獲得しました。
【声】村上和香さん
「人とかいろいろ楽しかったです。
(今までで)一番緊張しました。
まじで(メダルを)取れると思ってなかったから、めっちゃうれしかったし、もう一回世界ユースに出るためにはいっぱい練習しないといけないなと思いました」
和香さんが、銅メダル獲得を一番に伝えた人、それは小学校4年生から2年間通ったジムのコーチで、ボルダリング元日本代表の清水淳さんです。
和香さんの素質をいち早く見出した人物です。
【声】ボルダリング元日本代表 清水淳さん
「めっちゃセンスあるなという感じ。
次に手を出すときの目線とか手を出すタイミングとか、振られをコントロールするコントロール性能とかがとても高かったです」
和香さんと清水さんが出会ったジムは3年前に閉店。
現在はお母さんとともに週に4回、練習場所を求めて関西各地のジムを転々としています。
【声】村上和香さん
「一人のときは、前にできなかった課題をやったり、新しい課題をできるようになりたいなと思ったり、自分が苦手なことをできるようになりたいなと思っています」
そんな中、コーチである清水さんが先月、自宅近くにプライベートウォールを完成させました。
もともと農家の倉庫だった場所を利用した壁の製作には、和香さんも携わりましたが、完成したものを目にするのはこの日が初めてです。
【完成の様子をみる和香さん】
「えぐー!!すげー!!」
立派な壁を見上げ、思わず笑みがこぼれます。
清水さんの妻でボルダリング元日本代表の朱里さんとともに、完成したばかりの壁の感触を確かめます。
「右足壁にあてる感じで、、、そう、もっと立てる もっと立てる」
一般のジムとの違いを伺うと、、、、
【声】ボルダリング元日本代表 清水淳さん
「営業するジムはたくさんの人が登られるので、ホールドの量がたくさんついている。
課題数が多い、課題数が多いと壁の中に身体をくっつけておかないと、だめなのにホールドがあると動きが限定されて、作れる課題の質が変わる。
競技はここの壁に登る一本のルートのホールドしかついていない。
試合の課題を再現しやすい」
現在はジムなどで選手が登るルート=いわゆる「課題」を作るセッターとして世界で活躍する清水さん。
和香さんは清水さんの時間が許すときに指導を仰いできました。
ホールドを自由に付け替えられ、難易度の調節が自在な環境、さらに清水夫妻と一緒に登れることに和香さんは心を躍らせます。
【声】村上和香さん
「みんなと登ってみんなで教えあったり応援しあったりして、元気になるし楽しいからクライミングっていいなと思います」
和香さんの強さの秘訣は「楽しむ」ことにあるのかもしれません。
「OK いいね ナイス」
【声】ボルダリング元日本代表 清水淳さん
「本気でコーチングするというよりかは、本人が本当にクライミングを楽しんでいるかどうかが
かなり大事なことで、楽しい 楽しいと思ってくれることを教えたという感じ」
朱里さんも和香さんを応援しています。
【声】清水朱里さん
「辛くなっても楽しいが心の中にあったら強くなれる。
そこ大事にしてずっと登っていってほしい」
和香さんはこれからも「楽しんで」世界の壁に挑みます。
【声】村上和香さん
「まずは(5月末の)日本ユースで優勝して、世界で優勝できるようにしたい。
未来はやっぱりオリンピックに出たいと思います」