源氏物語や平家物語の舞台となった神社仏閣が点在する嵯峨・奥嵯峨。今回は、古典文学ゆかりの地を能楽師の案内でめぐる。源氏物語に登場する野宮神社では、「賢木」の巻を題材にした謡曲「野宮」の見どころを紐解く。美しい庭が見事な祇王寺では、謡曲「祇王」に描かれた平清盛と白拍子・祇王の悲恋の物語を紹介。そのほか、8000体もの石仏が境内に佇むあだし野念仏寺で、もののあわれと無常観に触れるなど、平安時代から貴族の避暑地として親しまれてきた嵯峨・奥嵯峨に息づく幽玄の世界を伝える。
かつて大原周辺から柴を頭にのせて京の町に行商をしていた女性たち「大原女(おはらめ)」。今回は、大原女が行商で通っていた「大原女の小径」と、道沿いに佇む古刹をツアーガイドの案内でめぐる。平清盛の娘・建礼門院ゆかりの寂光院では、宝物館に展示されている「大原御幸絵巻」を紐解きながら、平家滅亡後に大原に閑居した建礼門院の生涯を紹介。新緑が眩しい三千院は、東洋の宝石箱とも称される往生極楽院や、珍しい姿をした国宝・阿弥陀三尊像が見どころ。そのほか、柴漬け発祥の地である大原で長年店を構える漬物店や、大原の野菜をふんだんに使った料理が人気のカフェといった場所にも立ち寄り、日本の原風景ともいえる大原ならではの癒しの旅を案内する。