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7月8日は...遺言の大切さについて

7月8日は、遺言の大切さを、実際の相談事例をもとにお話しいただきました。

高齢化が進む中で、遺言の重要性はますます高まっています。遺言は資産家だけのものと思われがちですが、実際にはどの家庭にも関わる身近な問題です。今回紹介された事例は、介護施設に入居している高齢女性のケースです。女性には子どもがおらず、兄弟姉妹もすでに亡くなっていたため、法律上の相続人は甥や姪6人でした。そのうちの一人の甥が日頃から施設への送り迎えや各種手続きなどを献身的に支えており、女性は「自分の財産をすべてその甥に渡したい」と考えていました。

しかし、遺言がない場合は事情が異なります。相続人全員による遺産分割協議が必要となり、6人全員の合意がなければ相続手続きを進めることができません。また、法律上の相続割合に従えば、世話をしてきた甥の取り分はごく一部にとどまり、本人の希望とは大きく異なる結果になる可能性があります。さらに、相続人の誰か一人でも反対すれば話し合いがまとまらず、相続トラブルに発展するおそれもあります。

そこで重要になるのが遺言書の作成です。ただし、弁護士は相談に来た親族の意向だけで手続きを進めることはありません。遺言はあくまで本人の意思によって作られるべきものであり、弁護士は必ず本人と直接面談し、その意思を確認します。今回も弁護士が施設を訪問し、女性が本当に望んでいる内容であることを慎重に確認しました。

作成されたのは「公正証書遺言」です。これは公証人が関与して作成するため、信頼性が高く、後の争いを防ぎやすい遺言方式です。公証人は施設などへ出張することもできるため、高齢者や外出が難しい方でも利用できます。また、遺言を有効にするためには「遺言能力」、つまり自分の意思で内容を理解し判断できる能力が必要です。高齢者であっても判断能力が十分にあれば有効な遺言を作ることができますが、その確認は非常に重要です。

さらに、遺言書を作るだけでなく、「遺言執行者」を指定しておくことも大切です。遺言執行者は、亡くなった後に預貯金の解約や名義変更などを行い、遺言内容を実現する役割を担います。今回のケースでは弁護士を遺言執行者に指定することで、相続人間の対立や手続き上の負担を軽減し、本人の意思を確実に実現できる体制を整えました。

遺言は、自分の財産を誰にどのように引き継いでもらいたいかという思いを形にする大切な手段です。元気なうちに準備しておくことで、残された家族や親族の負担を減らし、相続トラブルを未然に防ぐことができます。自分にはまだ関係ないと思わず、早めに専門家へ相談することが大切です。

遺言について気になった方、まずは専門家にご相談ください。
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番組について

私たちにとって身近な、お金にまつわる色々な法律問題についての解決方法を「みお綜合法律事務所」の弁護士・澤田有紀先生にお伺いする“法律相談番組”です。

出演者

澤田有紀 (さわだ・あき)

澤田有紀

兵庫県西宮市出身 大阪大学文学部英文科卒
趣味・特技 / エレクトーン演奏、ゴルフ
弁護士(主婦弁) 大阪弁護士会所属
弁護士法人みお綜合法律事務所代表

OL、エレクトーン奏者などを経て主婦に。阪神淡路大震災をきっかけに「社会の役に立つ仕事をしたい」と一念発起して司法試験の勉強を始め、平成9年司法試験に受験1回目で合格。個人及び法人の債務問題,相続・離婚などの個人の法律問題を中心に取り扱っている。

専業主婦から弁護士になった経緯については「人生を変える!3分割勉強法」(祥伝社)をご覧ください。

森谷威夫 (もりたに・たけお)

森谷威夫

KBS京都アナウンサー。ニュースからスポーツ実況、バラエティまでマルチにこなす実力派。

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