心はんなり旅気分「近鉄最古の路線「南大阪線」(大阪阿部野橋~橿原神宮前)の魅力」

大正時代に近鉄の前身である大阪鉄道が全通させた「南大阪線」は 
大阪阿部野橋と橿原神宮前の約40kmを結んでおり、
近鉄では最古の路線です。

起点の「大阪阿部野橋」は、
今月10周年を迎えた高さ300mのあべのハルカスの1階にホームがあり、
近鉄全駅で一番の乗降客数を誇ります。
今回は準急に乗り込みます。
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最初の準急停車駅「河内松原」を過ぎると、次の停車駅は「藤井寺」。
ここは南大阪線の途中駅では最も利用客の多い駅で、
2005年までは近鉄バファローズの本拠地だったところ。
現在は四天王寺小・中・高等学校のキャンパスに生まれ変わっています。
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「藤井寺」を出てすぐの踏切では珍しいシーンに出会えます。
なんと沢田八幡神社の境内の中を電車が通りすぎて行くのです。
このあたりは古墳がたくさんあり、
それを避けて迂回するにはこのルートしかなかったとのこと。
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「土師ノ里」周辺はまさに古墳の宝庫。
仁徳天皇陵に次ぐ全長425mの「応神天皇陵」をはじめ、
数多くの古墳が点在して世界文化遺産の「古市百舌鳥古墳群」を形成しています。
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「古市」は南大阪線の中間拠点であり、羽曳野市の中心駅。
この駅を境に乗降客数に大きな差が生じるため、
ここでは車両の増解結風景をみることができます。
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「古市」を出ると、急にのどかな風景が広がり
ブドウ園や二上山が美しい姿を見せてくれます。
このあと特急も停車する「尺土」や「高田市」を経て、
終点「橿原神宮前」には約40分で到着。
ここで吉野・西大寺・京都方面はお乗り換えです。
名建築家・村野東吾の設計による風格のあるコンコースが出迎えてくれ、
この駅で京都に向かう特急や、
吉野線の特急・青の交響曲にも出会うことができます。
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そして畝傍山のふもとに初代・神武天皇が祀られる「橿原神宮」が鎮座します。
高さ10mの木造鳥居から300m続く参道を歩くと、
外拝殿の横の畳14畳分の大きな絵馬が目に飛び込んできます。
境内はまさに日本の歴史・文化の発祥地という神々しさに包まれていました。
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近鉄の中でも最も古い歴史をもつ南大阪線沿線はみどころがいっぱい。
桜の吉野と絡めてぜひこの春に訪れてみてください。