今回のゲストは 京うちわ 阿以波 十代目当主 饗庭長兵衛さんです。
阿以波は元禄2年、1689年の創業。
初代が滋賀県近江高島郡の「あいば」より京都に出て店を開いたのが始まりです。
そもそも現代では一般的にうちわはあおいで風を起こし涼をとる、そんなイメージです。
ところがうちわは顔を隠す 邪気を払う縁起物 虫はらいなど古くから各地でさまざまな
用途に用いられてきました。中でも京うちわは、宮廷で愛用された「御所うちわ」を
ルーツにした優美な趣が魅力です。
饗庭さんは「うちわ一筋、他業に手を染めず、うちわに全精魂を打ち込む」という
七代目による経営哲学を指針に、新たなうちわ文化の創造にも寄与されています。
その優美さ、涼しげな意匠で「目で涼をとる」新たな涼のかたちも提案。
対談ではうちわの歴史を紐解きながら、最高の造形的工芸品である
「京うちわ」の魅力をお聞きします。

祇園囃に心躍る、7月は京都の祭り月。
今回のゲストは祇園祭山鉾連合会 理事長 木村幾次郎さんです。
木村さんは2019年から山鉾連合会の理事長を務めておられます。
理事長就任早々コロナ禍に見舞われ、2020年の山鉾巡行を中止するという
苦渋の決断をされました。
疫病退散の祭りなのに疫病のために取りやめるのか、そんな声もありました。
それでも感染拡大は阻止しなければならない、と翌21年も巡行と宵山行事の中止を
決めました。
山鉾を建てないと技術は失われ、文化の継承も危うい。そんな危機感の中、その年は半数の山鉾が組み立てられ、居祭りが行われました。代表者が徒歩で巡行する「拝礼行列」を実施するなど、せいいっぱい「祭り」は維持されたのです。
そして22年、巡行が復活。
今年もインバウンドのお客様含め、大いににぎわうことでしょう。
祇園祭は時代とともに形は変わっても町衆の熱い思いは伝統を紡いでいきます。
2025年祇園祭にかける思いををじっくりとお聞きしましょう。
