今回のゲストは女優の藤山直美さんです。
1年ぶり3回目の登場です。
往年の喜劇王藤山寛美さんの三女として大阪市に生まれた直美さん
三歳の時に寛美さん主演のテレビドラマ「初代桂春団治」でデビュー。
5人姉妹の中で唯一父と同じ道を歩む直美さん。
舞台を中心にテレビ、映画にも活躍の場を広げています。
10月には京都の南座公演『錦秋喜劇特別公演』が控えます。
演目は祇園町の茶屋を舞台に巻き起こる騒動を描いた「祇園小唄」と、
藤山寛美の十八番「大阪ぎらい物語」の二本。
中村鴈治郎さん、扇雀さんの成駒屋兄弟、田村亮さんなどと満を持しての共演です。
お芝居の話、上方喜劇と上方歌舞伎の関係など
興味深い話題も盛りだくさんでお届けします。

今回のゲストは米朝一門の噺家桂吉坊さんです。
吉坊さんは1981年、兵庫県西宮市で生まれました。
17歳で桂吉朝に入門。
その2か月後の初舞台を経て、翌年2000年より桂米朝のもとで内弟子修行を開始。
2003年に内弟子を卒業し、以降は古典落語を中心に舞台を重ねてきました。
笛、太鼓はもちろん、三味線や長唄もこなし、
歌舞伎や能・文楽などの古典芸能に深い造詣があります。
得意分野は歌舞伎を題材とした芝居噺。
能、狂言、歌舞伎役者など、落語以外の伝統芸能の世界にも知人が多いことで知られています。
第3回繁昌亭大賞輝き賞、第47回なにわ芸術祭奨励賞
第29回咲くやこの花賞、年第49回なにわ芸術祭新人賞など多くの賞を受賞するほか
2023年7月には古典芸能の発信者として第3回「古典の日文化基金賞」を受賞。
落語だけにとどまらず古典芸能をこよなく愛する吉坊さん。
米團治とともに落語の面白さ、伝統芸能の奥深さなどを語っていただきます。

今回のゲストはピアニストの熊本マリさんです。
彼女は東京都出身、5歳でピアノに出会います。
10歳で家族と共にスペインへ移り住み、スペイン王立マドリード音楽院、
ジュリアード音楽院、英国王立音楽院にて学び、
数々のコンクールで優秀な成績を収めました。
1986年、英国ニューポート国際ピアノコンクールで入賞。
故・ダイアナ妃より賞を授与されました。
知られざる作曲家、フェデリコ・モンポウに魅せられた彼女は
1991年、ピアノ曲全集の録音を世界で初めて完成させました。
さらに1993年にはモンポウの伝記「ひそやかな音楽」を翻訳。
情熱のピアニストとしてその活躍は日本国内にとどまりません。
近年は、国際ピアノコンクールの審査員なども務め、テレビ、ラジオの出演、執筆活動など多才な活動で幅広いファンを獲得されています。
クラシック好きの米團治とどこまで話が盛り上がるのか、乞うご期待です。

8月16日の夜。夏の終わりを告げるように 五山の送り火が灯ります。
その瞬間を人々は手を合わせて見守ります。
亡き人を送る炎は京都の夜空を焦がし、
そしてははかなく静かに消えてゆきます。
送り火はお盆の先祖供養の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と結びついたもので、
お盆に帰ってきた先祖の魂が各家で供養された後、あの世に帰る道しるべです。
残るのは先祖の霊を送ったあとの寂しさと安堵。
私たちは明日からはまた顔をあげ、新たな生活を始めます。
送り火は京都の人々の心に寄り添う行事なのです。
その炎は平安時代、あるいは室町時代から守られてきました。
先祖を送るために雨が降っても風が吹いてもなんとしても火を灯す。
火床を守り続ける人々の思いは確固たるものがあるでしょう。
今回も特定非営利活動法人大文字保存会 理事長長谷川英文さんに
改めて送り火についてじっくりとお話をお聞きしましょう。

今回のゲストは俳優の近藤芳正さんです。
近藤さんは1961年生まれ、愛知県の出身。
15歳の時の『中学生日記』出演をきっかけに、劇団青年座研究所に入所。
俳優として才能を開花させ、映画『ラヂオの時間』、『THE 有頂天ホテル』、ドラマ『真田丸』、舞台『笑の大学』など、三谷幸喜作品に数多く出演。
その他ドラマに舞台に映画に、さらにバラエティにと幅広く活躍。
現在は"ラコンチャン"として舞台制作やプロデュース作品も手掛け、時には作・演出にも関わっておられます。また、俳優向けのワークショップも主宰するなどエンターテインメント界のオールラウンダーと評されています。
そんな近藤さんは2020年より京都に拠点を移し、地元KBSテレビの「おやじ京都呑み」
冬の貴船を舞台にしたヨーロッパ企画の長編映画「リバー、流れないでよ」にも出演。
対談ではエンターテイメントについて、また京都のテレビ、京都の知人、結婚相手など京都の印象をお聞きしましょう。

絢爛豪華な祇園祭。
その始まりは、疫病が流行るたびに、
時の朝廷が怨霊を鎮めるために行った御霊会(ごりょうえ)。
中でも祇園の御霊会が最も効果があると、
祭礼は勅祭として恒例の行事になりました。
恐ろしい疫病(えきびょう)から逃れるために
疫病(やくびょう)の神、いわゆる「疫神(えきしん)」を送ろうとしたのです。
もっと華やかに、賑やかに。
人々の願いはやがて観衆を意識した壮大な祭りへと変わってゆきました。
苦難の時代にいつか必ず復興すると、あえて休み山となった山鉾は
大船鉾、鷹山の2基が見事に復活。
コロナ禍を乗り越え、町衆の思いを乗せた山鉾は京都の街を堂々と巡行します。
時代に合わせ、変遷を繰り返しつつ、大切なものを守り続けて。
2023年祇園祭。
今年は制限のない本来の祭りが実現します。
さまざまのご苦労をのりこえてこられた山鉾連合会木村幾次郎理事長に
今年も米團治が迫ります。

今回のゲストはデュオ夢乃さん。
琴・三味線奏者の木村伶香能(きむら・れいかの)さんと、 チェロ奏者の玉木光(たまき・ひかる)さんによる夫婦ユニットです。
二人はニューヨークと日本を拠点に、邦楽とクラシックという和と洋それぞれの伝統に根ざしつつ、新たな室内楽を開拓されています。
始まりは2008年、アメリカ、フォートウェインさくらフェスティバル。
初共演を果たした二人は翌2009年から本格的にデュオ活動を開始しました。
代表作のひとつがアメリカの著名なオペラ作曲家、ダロン・ハーゲン氏に委嘱し、完成した壮大な5部作「平家組曲」。
さらに源氏物語等古典と音楽の融合にも挑んでいます。
日米での活動と並行して、海外にも活動の場を拡げ、2019年、カーネギーホール・ワイルリサイタルホールでのデュオ10周年記念リサイタルはソールドアウト公演となりました。
二人の和と洋の楽器が響きあい溶け合い引き立てあって生み出される新たな音楽は海外でも高い評価を得ています。
対談ではお二人がそれぞれに歩んできた道、西洋のクラシックと、日本の伝統楽器が出会ったときのインスピレーション、新たな室内楽の境地などについてお話をお聞きします。

今回のゲストはシンガーソングライターの
遊佐未森 (ゆさみもり) さんです。
彼女は宮城県仙台市出身、子どもの頃から歌が大好きで
小学生の頃からピアノを使って作詞作曲をしていたそうです。
中学では声楽を学び、声楽家をめざします。
しかし高校、大学とさまざまな音楽に触れるうちに
シンガーソングライターへの道を志すようになりました。
1988年ファーストアルバム『瞳水晶』でエピックソニーよりメジャービュー。
自然からインスピレーションを得る音楽は癒しブームの先駆けでした。
独創的な音楽観から生み出される楽曲は誰にも似ていない「遊佐未森の音楽」。
つねに「遊佐未森」でありつづける彼女のスタイルは
独創的なライブやコンサートと相まって
多くのファンやメディアから高い評価と支持を得ています。
彼女にとってうたうこととは、癒しとは、オリジナリティとは
表現者として相対する米團治とじっくり話し合っていただきましょう。

葵祭も終わっていよいよ京都に夏がやってきます。
古くは加茂の祭りと呼ばれていた祭りは
人々が神聖な葵を飾って祭りを行うことから葵祭と呼ばれるようになりました。
なぜ、人々はこの植物を神聖なものとみなしたのでしょうか。
「あおい」は文字で表すと「あふひ」。
この「ひ」とは生命力や神霊を指すといいます。
あおいは「ひ」にめぐり「あふ」、つまり神と出会うという意味になります。
神に会いたいと願うなら「葵」を飾って待て。
はるか昔、加茂の神は人々にそう告げたのです。
そして。降臨した神を祀ったのが上賀茂神社の始まりとされています。
人々は毎年葵を身につけて神に願い、感謝を捧げました。
そうして1400年もの時を刻んできました。
かつては当たり前のようにあった葵は今では少しずつ姿を消しつつあります。
この葵を守るプロジェクトがあります。葵を守り育て、祭りを支援することは日本の伝統文化と自然とともにあるという日本人の心を見つめ直すこと。
今回は一般財団法人 世界文化遺産 賀茂別雷神社 葵の森保全葵プロジェクトより
理事の高瀬川薫子(かおるこ)さんと
事務局次長・野町真之助さんをお迎えしました。
その活動についてじっくりと語っていただきます。

今回のゲストは俳優松平健さんです。
松平さんは今月5日から新歌舞伎座において5月薫風特別公演「伊之吉の千両茶碗」に主演されます。
その演目は桂米朝が復活させた古典落語「はてなの茶碗」をもとに書き下ろされた新作芝居。
米團治も重要な役どころで共演するという縁で今回の対談が実現しました。
松平さんは俳優で歌手、そしてタレントとしても大活躍。
テレビ時代劇「暴れん坊将軍」シリーズでは、およそ25年にも渡って主演を務められ、
また、「用心棒」「王様と私」など、時代劇からミュージカルまで様々なジャンルの舞台公演で人々を魅了しています。
今回の公演の第二部でも披露されるおなじみの「マツケンサンバ」では、
従来のシックなイメージを超える華やかさに意表をつかれた方も多いことでしょう。
今回の対談では舞台「伊之吉の千両茶碗」についてのお話や稽古でのエピソード、
またなじみの深い京都についてもざっくばらんに語っていただきます。
