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仏教で仏や菩薩などに付き従い、様々な役割を担う存在とされる「眷属(けんぞく)」に焦点を当てた企画展が、京都市下京区の龍谷ミュージアムで開かれています。眷属は、信仰の主な対象になる仏に付き従う存在として、仏教美術では主な仏を囲むように表現されるいわば「仏教美術の名わき役」です。会場の龍谷ミュージアムには眷属が描かれた彫像や絵画など、およそ60点が並びました。中でも奈良県の興福寺に伝わる国宝の安底羅大将立像は、薬師如来をあらゆる方角から守る十二神将らしい力強い造形です。子供の姿の眷属も多く、和歌山県の金剛峯寺が所蔵する「八大童子」の2体からは、眷属の個性や性格の違いが感じられます。龍谷ミュージアムの学芸員・村松加奈子さんは「いつもはおそらく真ん中にいる仏様を、みなさんご覧になると思うが、周りにいる眷属たちの存在で、仏教がより豊かに広がっていくのが理解いただけると思う」と語りました。特別展「眷属」は、途中展示替えをしながら11月24日まで開かれます。