京都専科は京都が大好きな女優、羽田美智子とともに京都の魅力の真髄にふれることのできる珠玉の番組です。

第116回:凛とした風を呼ぶ京扇子

扇子・・・それは京都発祥の文化です。
紙が貴重だった平安時代、記録用紙の代わりに使った木簡を閉じ合わせたものから、扇子のルーツと言える「檜扇」が生まれました。
当時は貴族の服飾品であったり、僧侶・神職の儀式用としてのものでしたが、江戸時代には扇子づくりが「京の三職」
として栄え、庶民の日常生活に浸透していきました。

宮脇賣扇庵は、江戸時代後期、文政6年(1823年)に創業され、現在の屋号は、三代目新兵衛のとき、日本画家・富岡鉄斎により、「賣扇桜」という京の銘木にちなんで、明治20年に名付けられました。

百有余年を経た店舗は、往時の商家の名残をそのままにとどめ、店内には貴重な美術作品を多く見ることができます。
特に有名なのが店内の2階にある京都画壇48画伯による天井画で、富岡鉄斎、竹内栖鳳、神坂雪佳など京都画壇を代表する錚々たる画家が扇面の絵を競い合っています。

実用的な扇子だけでなく様々な伝統芸能と深い結びつきがある京扇子。
日本舞踊に使う舞扇、茶道で使う茶席扇、香道、落語、能、狂言、歌舞伎など多様な用途で使われてきました。
そして現代、エコや環境に注目が集まり扇子が再評価、若い人もファッションプラス実用で多くが愛用するようになっています。
未来に向けても京扇子は時代に合わせて変化していきます。

宮脇賣扇庵
住 所:京都市中京区六角通富小路東入ル大黒町80-3
連絡先:tel.075-221-0181

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