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第177回 京都人の暮らしの原点 おくどさん

 
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今回のいっぴんは「おくどさん」。
みなさん「おくどさん」ってご存知ですか?「おくどさん」とは京都のカマドのことです。古い町家などでは、玄関を入ってまっすぐに続く土間の途中に「走り庭」という現代で言うところのキッチン部分があります。そして、そこにあるのが火を焚くカマド。これを京都では「おくどさん」と言います。

木造の町家がところ狭しと建ち並ぶ京都では、火事はたいへん恐れられていました。なんとか火事から家を守ろうという思いは、火を扱うおくどさんの周りに現れるようになりました。それが、おくどさんの周りに祀られる7体の伏見人形や、愛宕神社の火防のお札などです。

人々の生活に密接に関わってきた「おくどさん」ですが、現在も京都では現役のおくどさんをみることができます。桂離宮の近くの老舗和菓子屋の中村軒では、おくどさんを使って和菓子屋の命とも言える餡を作っています。一時はガス釜を使っていたそうなんですが、お客さんから「味が変わった」と指摘され、またおくどさんを使うようになったとか。
そして、お豆腐屋さんでもおくどさんが使われています。入山豆腐店では、開店と同時におくどさんに火が入ります。大豆をおくどさんで焚くと、お豆腐の香ばしい香りが際立つと言います。
実はこのおくどさん、最近作り替えたそうです。それを手掛けたのが京壁師の奥田さん。本来は漆喰や土壁などを施工する左官屋さんを営む奥田さんですが、おくどさんの修理や復元を行なっています。今に伝わるおくどさんに再び火をおこす職人と、今も使い続ける京の人々。京都の「おくどさん」には京の人々の暮らしの原点をみることができるのです。


■お店情報

中村軒
京都市西京区桂浅原町61
075-381-2650

入山豆腐店
京都市上京区椹木町通油小路角東魚屋町
075-241-2339

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