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第173回 織り込まれる永遠の輝き 引箔

 
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今回のいっぴんは「引箔」!「引箔(ひきばく)」って聞いたことあるでしょうか?これは、西陣織の帯などに用いられる技法のひとつで、金の輝きを帯に織り込む技法のことです。西陣織は金や銀の輝きの印象が強いのですが、実際は2つの方法が使われています。ひとつは金糸や銀糸。言葉の通り、金の糸や銀の糸を織り込み、立体的に紋様を織り込みます。刺繍のような見え方をしながら、美しい輝きをみせます。そしてもう一つが今回のいっぴん「引箔」です。引箔は糸ではなく、細くはありますが、幅があり、平たい形をしています。そして、材料はなんと漆と和紙、そして金箔です。

現在もこの「引箔」を家業としているのが箔屋野口です。野口さんの手掛けるのは「引箔」の材料となる「平箔」というものです。長方形の和紙に薄く薄く漆を塗り、その上に金箔を押していきます。漆の塗り方や金箔の押し方で様々な表情の「平箔」ができあがります。長方形の「平箔」が5枚で1本の帯になります。出来上がった平箔を裁断所で0.3ミリから0.4ミリに裁断します。この細い細い平箔を次は織り屋が織り込んでいきます。裏返ることなく、正確に織り込むのはたいへんな技術が求められると言います。

最後にご紹介したのは、箔屋野口の息子さんが取り組む新たなアートの世界。平箔を作る伝統技法を用いて、「箔画」を作る野口琢郎さん。今、伝統と革新のアートとして注目されています。いずれ、琢郎さんの「箔画」が帯のデザインとなり、引箔の技術と融合して新しい西陣織の世界に発展していくことも遠い未来ではないかもしれません。


■お店情報

桝屋高尾
京都市北区北野西白梅町77
075-464-0500

箔屋野口
京都市上京区元妙蓮寺町546
075-415-1150

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