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第160回 名脇役の粋と美 襖の引き手

 
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今回のいっぴんは「襖の引手」!襖の引手に興味を持ったことはありますか?和室の脇役的存在の引手ですが、実は驚くような美の世界があるんです。今回はそんな襖の引手がテーマです。

襖は平安時代に衝立、屏風といった調度品からに日本独自のものとして生まれました。書院造が完成した頃には部屋に区切りが生まれ、それに用いられるようになったのが襖、そして装飾的要素を持った引手が用いられるようになりました。東山区の知恩院には狩野派の水墨画が襖に描かれた雪景の間があります。その襖に設えられた引手は花弁模様の豪華なもの。由緒正しき書院に風情が漂います。

明治10年創業の森本錺金具製作所。引手は依頼されたものを製作され、すべて職人さんの手業が支えています。その工程は驚くほど複雑な手間がかかります。引手の地金は銅版を使用します。銅版をなまして、叩いて曲げたり切ったりして引手の形を作ります。金箔を何度も重ねて鍍金をします。水銀加工した銅版を金ベラで鏡のように磨き、いよいよ彫金の作業です。墨汁で型どりした銅版に、職人の熟練の技で彫金が施されます。様々な技法を組み合わせて作り上げられた引手は立体感があり、空間に豊かさをもたらします。こうして出来上がった美しい引手は、使い手によって様々な襖紙と組合されます。例えば波の絵の唐紙には千鳥の型の引手、雲の唐紙には雲の型の引手など。その組み合わせは雅で遊び心に溢れていま。日本家屋の価値は襖の引手でわかる、と言われた時代もあったとか。さりげないものの中にこそ、日本の美が宿っているのです。


■お店情報

森本錺金具製作所
京都市下京区楊梅通西洞院東入ル八百屋町59番地
075-351-3772

室金物株式会社
京都市中京区二条通柳馬場西入
075-211-9798

梁山泊
京都市左京区吉田泉殿町5
075-771-4447

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