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第159回 お尻の下の力持ち 京の座布団

 
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今回のいっぴんは「京の座布団」。
さて、私たちのお尻を優しく包み込んで、支えてくれる座布団。座布団は畳に由来します。「ムシロ」を重ねたものから薄畳になり、中に綿を入れる現在のような形になったのは江戸時代の中期頃でした。当時は高貴な身分の人や花魁、役者だけが用いることができたと言います。

座布団の大きさは織物の幅によって5種類あります。一番大きい夫婦判(どんすばん)は嫁入り道具として使われます。関西ではお客様用として八端判(はったんばん)を使用し、家族用としては銘仙判として使い分けます。一言で座布団と言ってもなかなか奥が深いのです。

嵯峨嵐山に店を構える「プラッツ」。もともと明治20年代に創業した「加藤布団店」がはじまりで、創業以来数々のお寺や旅館に座布団を納めてきました。京都の座布団の特徴は座布団に施される「とじ」に現れます。「とじ」は四角い座布団の中心を縫い合わせた部分のことで、京都の「とじ」は「人」の字のような形の「三方とじ」で施されています。これは、お客様に差し出す時に、前後を間違えないようにするためだとか。プラッツでは今も伝統の方法で座布団を製造しています。繊維の方向や織り込む形にまでこだわった職人技です。出来上がった座布団は柔らかなアーチを描き、このふっくらとした「かまぼこ型」が京都の座布団の特徴でもあるのです。

こうした座布団は京都のお寺やお店など様々な場所で愛用されています。例えば天龍寺。座禅を行なうときに使う座布団、お客様に使う座布団、また法要の祭に位の高いお坊さんが使う座布団など、使う場所や人によって様々な座布団を使いわけると言います。

もてなしの心が生んだ京の座布団。出す人、使う人、作る人、様々な思いを詰め込んで、今日もお尻の下で私たちの日常の生活を支えてくれているのです。


■お店情報

木乃婦
京都市下京区新町通仏光寺下る岩戸山町416
075-352-0001

Platz~プラッツ~
京都市右京区嵯峨天龍寺造路町5
075-861-1721

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