TOP 過去のいっぴん うらばなし プロフィール リンク ご感想
タイトル
過去のいっぴん

第158回 色づく味わい 秋の和菓子

 
画像
画像
画像

今回のいっぴんは「秋の和菓子」。山々が紅葉する秋こそ、京都の美しい風景をみる絶好の季節なのです。そんな京都にはこの季節ならではのお菓子がたくさんあります。今回はそんな京都の秋の和菓子を紹介します。

古来より人々は夜空に浮かぶ美しい月の姿を愛でることを習わしとしてきました。そんなお月見に欠かせないものと言えば「月見団子」。笹屋伊織は江戸中期に創業に老舗の和菓子屋。毎年この季節に店頭に月見団子が並びます。しかし、その形は少し変わっています。まん丸の月見団子が一般的ですが、京都の月見団子は横に長く、半分を餡で包んでいます。これは、かつて里芋を供えたことから、その形を模したためです。小さな秋を感じさせる京都の月見団子です。

二条通りに面した二条駿河屋はお茶席の菓子を扱う和菓子屋です。お店の中の大きな菓子箪笥の中には季節のお干菓子が収められています。秋の干菓子と言えば「吹き寄せ」。秋風によって色鮮やかな落ち葉や木の実が寄せ集まった様子を表現したもので、晩秋にかけてお茶席に出される代表的なお菓子です。銀杏の葉や実、松かさ、松葉、キノコや栗も入り、見た目に楽しい秋のお干菓子です。

江戸後期に創業した甘春堂では、季節ごとの上生菓子をなんと200種類以上扱っています。もみじの形と鮮やかな赤で表された上生菓子や、ピンクと桃色のグラデーションが美しい野菊など、職人の手技が光ります。そぼろ状にした色鮮やかな餡をまぶした「きんとん」では色で秋を表現します。この抽象的な表現こそ、京菓子の真髄と言えるのです。

最後に紹介するのは寺田芋を使ったお菓子。寺田芋とは城陽に古くから伝わる芋で、城陽の特産品です。歴史の古いこの寺田芋を使っているのは、明治43年に創業の松屋です。寺田芋を使った「芋羊羹」が人気です。寺田芋の甘さとこくが美味しい芋羊羹。地元の特産を守り続けたいというご主人の思いの詰まった逸品です。


■お店情報

京菓匠 笹屋伊織
京都市下京区七条通大宮西入花畑町86
075-371-3333 

二条駿河屋
京都市中京区二条通新町東入ル
075-231-4633

甘春堂 本店
京都市東山区川端通正面大橋角
075-561-4019

松屋
京都府城陽市長池北清水27
0774-52-0031

すべてのいっぴん