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第156回 装飾美の極致 截金

 
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今回のいっぴんは「截金(きりかね)」!截金とは、薄くした金やプラチナの箔を数枚はり合わせ、線や丸、三角などに切り出し、貼りながら繊細な模様を描きだす技法です。日本へは仏像を荘厳する技法、つまり装飾技法として6世紀ごろ、仏教とともに大陸より伝えられました。平安、鎌倉時代と、時代がすすみ仏教美術の隆盛とともに截金は飛躍的な発展をみせます。しかし、西洋文化の伝来、多くの戦乱のなかで仏教美術は低迷し、近世以降はわずかな截金師によって伝承されてきたのです。

京都岡崎にある仏像制作の工房「平安佛所」。仏師江里康慧さんはこれまで多くの仏像の制作に携わってきました。仏の内面の輝きを金の繊細な模様として表わす截金。その技法を極め、若くして人間国宝にまでなった截金師がいました。江里康慧さんの妻、佐代子さんです。平成19年に亡くなられるまで、截金の世界において数々の功績を残しました。仏教美術の域にとどまらず、新しい截金の可能性を切り開いてきました。現在、江里ご夫妻の長女朋子さんが截金師として佐代子さんの意思を受け継いでいます。

截金は、薄い謹白をはり合わせることから始まります。そして、重ねた金箔を静電気が起きないように竹刀で細く細く切りだします。そして、その細い金を二本の筆を使いながら、膠と布海苔で思いどおりに模様を描いていくのです。その作業は息もできないほどの繊細で緻密な作業です。そうした作業を延々と積み重ね、美しい截金の世界が誕生するのです。
佐代子さんが亡くなられて、長女の朋子さんのほか数人のお弟子さんたちは、佐代子さんの意思を受け継ぎ、新たな截金の技法の開拓にも挑戦しています。これからも多くの人々を魅了し続けることでしょう。


■お店情報

平安佛所
京都市左京区岡崎北御所町46-15
075-771-1354

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