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第155回 宇宙をも表す究極の庭 枯山水

 
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今回のいっぴんは「枯山水」。水を使わずに自然の風景を表現するがの枯山水のお庭です。

右京区にある日本最大の禅寺、妙心寺。その塔頭の一つ、美しい庭で知られる退蔵院。元信の庭の石組みでは、おめでたい鶴亀が表されます。また、水が滝から池へと流れ込む様子が白砂によって表現されています。無駄なく豪快に石を配しながらも、絵画的な趣を感じることができます。砂によって水の表現を可能にするのが、白砂に描かれる模様、砂紋です。大きな檜製の熊手を使い、一糸乱れぬ模様を砂に描くのは、寺の者にとっての修行の一環として行なわれます。出来上がった砂紋の庭には、豊な水の流れをみることができます。

昭和のはじめに、それまでの枯山水のイメージを大きく打ち破る人物が現れました。庭園研究家の重森三玲です。京都市東山区にある東福寺。こちらの方丈庭園が重森三玲のデビュー作です。北庭には緑の苔と白い敷石を市松模様に配し、独自の新しい意匠を生み出しました。また東の庭には円柱で現した北斗七星をみることができます。後ろには天の川にみたてた生垣があり、足元は小宇宙を表しています。それまでの枯山水のイメージを覆したモダンな枯山水が誕生したのです。東福寺の塔頭の龍吟庵は重森三玲が昭和39年に作庭したものです。龍が海の中から黒い雲を巻き起こしながら天に昇っていく姿を巨岩の石組みで大胆に表現しています。左右の竹垣には稲妻模様が施され、龍の迫力ある登場を盛り上げています。大胆で斬新な庭でありながら、長い歴史と伝統を誇る建築物と見事な調和をみせています。
限られた空間の中で、限られた素材だけを使って仏教の教えや広大な宇宙までも現す枯山水は、現代になくてはならない心の空間ともいえるのかもしれません。


■お店情報

東福寺・龍吟庵
京都市東山区本町15-812
075-561-0087

妙心寺・退蔵院
京都市右京区花園妙心寺町35
075-463-2855

酬恩庵一休寺
京都府京田辺市薪里ノ内102
0774-62-0193

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