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第151回 力強くしなやかに 京弓

 
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今回のいっぴんは「京弓」!
毎年5月のはじめに行なわれる京の伝統行事「葵祭」。
この葵祭にさきがけて行なわれるのが流鏑馬神事。馬を走らせながら公家の狩装束姿の騎手が三箇所の的を矢で射抜きます。葵祭の道中を祓い清める意味を持ちます。この流鏑馬神事で重要な役割を果たす和弓は、現在その9割は宮崎県で製造されていますが、かつては日本に4つの産地がありました。そのひとつが京都を中心とした京弓です。

現在、この京弓の伝統を受け継ぐのはたった一軒。柴田勘十郎弓店です。柴田家は今から500年近く前から弓作りをはじめ、現在の当主でなんと21代目です。弓の主な材料はここ京都の竹。弓作りはこの竹の素材を見極め、2枚張り合わせる組み合わせを決めることから始まります。前に来る竹には粘り強さ、外にくる竹には堅さが求められます。この2つの素材の持ち味の違いが竹の弾力を決め、弓のしなりを生み出します。そして薄く削ったこの2枚の竹と、間に挟む木材を重ね合わせ接着剤を塗り、麻縄で縛っていきます。その麻縄の網目におよそ100本の楔を打ち込み、調整しながら弓のカーブをつくっていきます。この作業はまさに時間との勝負。ダイナミックな作業が続きます。そして、弓作りの山場はなんといっても弓に弦を張る作業。麻縄と楔でつくったカーブとは反対へいっきに曲げ、そこに弦を張るのです。折れそうで折れないこのしなりこそ、弓の力の源です。現在、たった一人となった京弓の御弓師、21代目柴田勘十郎さん。伝統を受け継ぎながらも、頑なまでの物作りへのこだわりと革新をもって、京弓作りに取り組む姿はまさに、しなやかで力強い京弓そのものです。


■お店情報

柴田勘十郎弓店
京都府京都市下京区御幸町万寿寺上る須浜町657
075-351-1491

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