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第143回 とめどなく深い漆黒の世界 京漆器

 
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今回のいっぴんは「京漆器」!
漆工芸は英語で「japan」と呼ばれ、文字通り日本を代表する工芸品として海外に広く知れ渡っています。特に京都は平安時代に都がおかれて以来、漆器の需要も多く、完成度の高い作品が作られてきました。京漆器の洗練された技と繊細で優雅な意匠は、まさに「japan」の最高峰とされています。

漆は木の樹液です。近年、この漆を塗装とした漆器には抗菌作用があることがわかってきました。漆は千年以上前から続く天然の抗菌素材だったのです。

寛文元年、1661年創業の象彦。漆器は一つ一つの工程に手間がかかり、その数50以上と言われています。伝統的な制作では、専門の職人がそれぞれの工程を分業します。なかでも漆の黒を作りだすのが塗師(ぬし)と呼ばれる職人です。その中でも真塗りと呼ばれる上塗りの技法は刷毛の跡やわずかな埃も許されない上塗りの中で最も熟練の技を必要とします。この作業は「塗り部屋」と呼ばれる専用の作業場に一人篭り、細心の注意を払いながら行います。まさに究極の技と言えます。

三代続く下出蒔絵司所を営む下出祐太郎さんは、京都を代表する蒔絵師の一人として、これまで数多くの作品を世に出してきました。蒔絵は漆で絵や文様を描き、乾かないうちに金や銀の粉を蒔き、磨き上げます。そうして、漆黒の上に美しい金銀の図柄が浮かびあがるのです。京都の職人によって生み出された蒔絵は、技を継承し、守り育ててきた多くの人たちの想いをこめて、これからも美しく輝き続けることでしょう。


■お店情報

象彦
京都市左京区岡崎最勝寺町10
075-752-7777

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