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第139回 幾人もの職人の手を渡り歩く 扇子

 
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今回のいっぴんは「扇子」!
扇子のルーツは木簡を綴じ合わせたものです。これをヒントに最初の扇「檜扇」が誕生しました。その後、扇の面に美しい絵が施されるようになります。室町時代には唐へと渡った扇子が再び日本に逆輸入され、現在の扇子の形式が確立したと考えられています。

天保年間創業と伝わる「大西京扇堂」は古くより扇子作りを担ってきました。半世紀近く作り続けられている「洛風扇」は、都の雅な景色や行事が美しい色合いで描き出された扇子。扇子は分業で作られ、「八十七回職人の手を通る」と言われるほど多くの職人の手を渡り歩きます。扇子の骨の部分を作るのは滋賀県安曇川町。ここは、全国の9割の生産量を誇ります。扇骨も細かな分業からなり、竹を割る、干す、削る、要を打つすべてがそれぞれの職人の手で行なわれていきます。そして、扇面に絵師が美しい絵を施し、また次の職人たちへと渡ります。絵の施された扇面を割り、折り、骨の通り道を作ります。そして仕上げの加工、骨を刺す作業です。これらも全てそれぞれの専門の職人によって行なわれ、まさに職人の技術が冴え渡ります。出来上がった扇子の美しい絵と繊細な竹の骨、仰いだときの心地よい風はまさに雅そのものです。何人もの職人の手を渡り歩き完成した京扇子。京都の季節を切り取ったこの小さいな芸術品は職人の繊細な感性を映し出しているようです。

300年近く扇子の卸業を営む「山二」は、新しい扇子のスタイルを生み出してきました。若い人を中心に扇子の文化が受け入れられるようになってきたと言います。それもそのはず、山二の扇子はどれもユニークなモチーフとスタイリッシュなデザインで、扇子の新たな可能性を感じさせてくれます。平安の昔より伝わる伝統美に遊び心をプラスした新感覚の扇子が目で、そして体で軽やかな涼しさを演出してくれます。


■お店情報

大西京扇堂
京都市中京区三条通寺町東入ル石橋町18
075-221-0334

山二
京都市下京区烏丸通五条下ル大阪町390
075-351-2622

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