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第137回 京都の心を奏でる 邦楽絃

 
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今回のいっぴん物語は「邦楽絃」!
京都をイメージする音というと、三味線や琴、そして雅楽の音色を思い出しませんか。そうです。京都ではお祭の際に雅楽が演奏され、花街を歩くとどこからともなく三味線や琴の音色が響いてきます。そんな雅楽器や邦楽器の絃を作っているお店が京都にはあります。それが「鳥羽屋」です。創業は1655年、当時は染物業を営んでいましたが、幕末の1849年に6代目の小篠長兵衛が楽器の絃作りを初めました。現在、雅楽器の弦を作っているのはここだけ。邦楽器の弦を作るのも全国的に珍しい存在です。

絃の材料は絹です。滋賀県から取り寄せた最上級の生糸を、まず繰糸と呼ばれる作業で木の枠に巻き付けていきます。数本の生糸を一本にまとめ、水に一晩浸けます。生糸に水を吸い込ませることで、弾力性を持たせます。その後、下撚りと呼ばれる工程に入り、滑車を回転させ生糸に撚りをかけていきます。細い生糸に撚りをかけることによって、均等に力が入り、強い絃になっていくのです。上撚りの作業を経た糸を自然乾燥され、黄色く着色し、またお餅を溶かした糊でコーティングを施します。ここまでくると、楽器の撥で弾かれても切れることのない、頑丈な絃に仕上がります。手間と時間を掛けて作られた弦は伸びにくく、きわめて優美な音色を奏でるのです。

伝統工芸品と言われる邦楽器の弦。後継者不足やコストの面から化学繊維の絃も出回るようになり、生糸を使用しない演奏者ももちろんいます。しかし、移り変わる時代の中で、京都を奏でる邦楽器の弦はいつまでもそのままの姿で京の心を奏でて欲しいものです。


■お店情報

鳥羽屋
京都市上京区油小路通下立売下る西裏辻町260
075-222-1100

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