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第133回 時代を超えて愛される面 嵯峨面

 
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今回のいっぴんは嵯峨面!
かつては「禁野」と言われ、皇族や貴族のみに立ち入ることが許された地、嵯峨野。時代が移り、嵯峨野は観光地として、また古きよき京都を色濃く残す、風光明媚な地として人々に愛されてきました。

そんな地に佇む清涼寺。春浅き3月15日におよそ600年前から続く涅槃会が行なわれます。昼に行なわれるのが京都の伝統芸能のひとつ、嵯峨大念仏狂言です。無言劇で行なわれる嵯峨狂言は京都の伝統芸能の源流とも言われ、独特の衣装と狂言面をつけ、勧善懲悪と因果応報を説きます。この嵯峨の大念仏狂言で使われる狂言面を模した面がかつて地域の人々の手によって門前で厄除けのお土産として売られていました。しかし、時代の流れに押されその伝統はいつしか失われていったのです。

それを復活させたのが、藤原孚石という日本画家でした。研究を重ね、伝統の面に新たな命を吹き込みました。現在、2代目を引き継ぐ藤原孚石さんが今も嵯峨面を作り続けています。赤鬼や青鬼、天狗に般若。どれも表情に愛嬌があり、優しく素朴な温かみを感じることができます。その素材は紙。しかも明治時代の古い書物の紙を使います。当時のものは今の紙よりもコシがあり、面に適していると言います。石膏の型に何層もこの紙を貼り重ね、柔らかな風合いの面の土台を作ります。その面に筆を入れ、豊かな表情が生まれます。今ではオリジナルの嵯峨面を次々と創作し、種類も30種類近くに増えました。嵯峨面、それは嵯峨野の土地から生まれた心なごます民芸品であり、作者の思いと愛情が込められた芸術品にまで高まった京のいっぴんです。


■お店情報

嵯峨清涼寺(嵯峨釈迦堂)
京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町46
075-861-0343

藤原孚石
京都市右京区嵯峨二尊院門前善光寺山町6
075-861-3710

いしかわ竹の店
京都市右京区嵯峨天龍寺造路町35
075-861-3710

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