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第130回 豪華絢爛 伝統の美をまとう 能装束

 
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今回のいっぴんは「能装束」!
能楽は難しいイメージを持たれていませんか?今回はそんな難しそうな能楽を楽しくする、あるいは楽しむためのヒントになるお話です。

能が大成した世阿弥の時代、室町の頃。今のような豪華な衣装などなく、地味で質素なものが使われていました。その後安土桃山時代に武家を中心にたいへんもてはやされるようになり、武家たちがお気に入りの能役者に着物を下賜する風習が生まれ、それが衣装となり、江戸時代には入ってからは現在のような装束の形が完成されました。

能楽のシテ方のなかで、唯一京都に本拠地を置く金剛流。金剛宗家に伝わる能装束「紺地柴田燕文銀襴法被」は戦国の武将、柴田勝家の旗印だった紋で、金剛家が拝領した伝統の品です。また「黒地金立涌紋尽縫箔」の縫箔に丸紋づくしの柄は、後に鬼に変身することを約束するものです。また鱗模様の摺り箔は「鬼女」の衣装です。つまり、怖い女の鬼役だということがわかります。このように、能装束には一定の決まりごとがあり、能楽を鑑賞するひとつの手がかりとなるのです。

さて、そんな能装束を間近で見ることができ、また食事まで楽しめるのが「そば宇一朗」です。実はこのお蕎麦屋さん、能装束の制作を手掛ける「錦松」が作ったお店です。明治15年に創業した錦松。代々能装束の制作に携わってきました。一着が仕上がるのには半年の歳月がかかります。能装束を身に着けたその「出で立ち」で役柄の性格などがわかるため、制作する側にも細かな知識と確かな技術が必要とされます。高い技術と熟練の技で、刺繍のように美しい織りの文様が能装束の絢爛豪華さ、雅さを醸しだします。世界のあらゆる織物の中で「最高峰」と謳われる能装束。その艶やかな美しさは数百年先も失われるは無いでしょう。


■お店情報

金剛能楽堂
京都市上京区烏丸通一条下ル
075-441-7222

そば宇一朗
京都市中京区押小路通 麩屋町東入橘町616
075-211-8138

錦松
京都市上京区元誓願寺通新町

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