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第125回 木との対話で生まれる芸術 京指物

 
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今回のいっぴんは「京指物」!
指物とは、釘などの接合道具を使わずに、木と木を組み合わせて作られた家具、建具、調度品などの伝統工芸品です。木と木をさし合わせて、組み上げることから「指物」という名前がついたと言われています。この技法はたいへん古くから日本で行なわれてきました。京都では宮廷文化や茶の湯の文化に支えられ、高い工芸文化へと発展しました。それが「京指物」です。

京都市中京区にある「井口木工所」。ここから生み出される作品からは洗練された美しさを感じることができます。また組み上げるとまるで一枚の木からくり貫いたように、外側からも内側からも組み手が全く見えない「隠し蟻組み接ぎ」など、高度な技術を見ることができます。

指物で最も大切なこと、それは木と対話することだといいます。そのためにはまず、素材としての木を知らなければなりません。木材の性質や木目の流れを間違うことなく見極めることが求められ、そして職人の確かな技術と経験で、正確に削り上げ、寸分の狂いもなくぴったりと組み上げるのです。まさに、木と人間の対話です。完成した小引き出し。2つの引き出しのうち、片方を押し込むともう片方の引き出しが空気によって押し出されてきます。これは木と木の間に寸分の隙間が無いという証拠なんです。
京指物の特徴として、もうひとつ、その意匠に彫刻や象嵌など、指物以外の技法を取り入れるという点もあります。職人同士のつながりが、京都独自の指物文化を生み出し、洗練された美を育んできたとも言えます。

大自然が育んだ木の魅力を最大限に引き出し、作品として人が新たな命を吹き込む。こうして、木は京指物となり、新たな美しさで私たちを魅了してくれるのです。


■お店情報

井口木工所
京都市中京区押小路通堺町西入る竹屋町152
075-231-4953

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