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第118回 古都に響き渡る音色 梵鐘

 
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今回のいっぴんは「梵鐘」!
京都の一年を締めくくる鐘の音。古都に響きわたる荘厳で厳粛な音色です。

知恩院の除夜の鐘、身体を投げ出すように親綱を引く僧侶の姿が目を引きます。総勢17名ほどで撞かれる巨大な梵鐘は寛永13年に作られたもので、奈良の東大寺、東山区の方広寺に並び、日本三大梵鐘のひとつに挙げられます。除夜の鐘には今年も無事に過ごせたという思いと、新しい年を迎える心の準備を導いてくれる響きが込められています。

そんな人々の心に染みる梵鐘を造る工房が京都にあります。岩澤の梵鐘株式会社さん。戦時中、金属回収令でお寺から鐘が消えた時代がありました。戦後になって、岩澤の梵鐘株式会社の先代は失われた鐘をもう一度蘇らせようと、試行錯誤と研究を重ね梵鐘作りにすべてを注ぎこまれたそうです。そして今から35年前、妙心寺から国宝「黄鐘調の鐘」の作り替えを依頼されました。妙心寺の黄鐘調の鐘とは、日本において年代の明らかな最も古いものとされ、徒然草にその名が出てくるほどの名鐘です。その作り替えを依頼された先代は、入念な測定を行い、研究に研究を重ね、国宝と同じ音色を生み出すことに成功しました。今、妙心寺には先代が作った黄鐘調の鐘の2代目がその音を響かせています。梵鐘作りはまさにダイナミック。1100度を越える銅が鐘の鋳型に流し込まれ、お寺の住職による読経が行なわれます。厳かな中に職人の熱気があたりに立ち込めます。

朝、夕に響き渡る鐘の音に、今日一日を思い、感謝する日本人の心が蘇ります。古都に響き渡る鐘の音。これもいっぴんです。


■お店情報

岩澤の梵鐘株式会社
京都市右京区太秦唐渡町22
075-871-1001

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