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第113回 今も昔も女の命 黄楊櫛

 
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今回のいっぴんは「黄楊櫛」!
櫛は髪を梳いたり、日本髪の髪飾りとして使う道具。その歴史はかなり古く、福井県の鳥浜貝塚では、縄文時代に作られた漆塗りの赤い櫛が発見されています。その頃は魔よけとして使われていたと言われています。

その後、櫛にはいろいろな意味合いが込められるようになりました。男性が女性に送れば、それは愛情を意味しました。また江戸時代には髪が結われるようになり、装飾品として豪華な櫛が出回るようになり、おしゃれのアイテムとして使われるようになりました。髪形の変化とともに、櫛の形も様々に変化しましたが、常に最高級の名をほしいままにしてきたのが、黄楊櫛です。京都では長い歴史に培われた精密な加工技術を受け継ぎ、優れた製品を生み出してきました。

明治8年創業の黄楊櫛専門店「十三や」さん。その屋号は「くし」の九と四を足した数からきています。使えば使うほどに油がしみこみ、使い心地がよくなるのが黄楊櫛の特徴です。黄楊の原木は干したり燻したりの下処理の後、なんと10年以上寝かします。その後、歯挽きと言われる歯を作るたいへん難しい工程に入ります。そして歯摺りという歯先を整える細かな作業になります。その後も細やかな作業を重ねてやっと完成します。このように、時間も手間もかかることが、高級品とされる由縁です。

櫛職人が命をかけて作り上げる黄楊櫛。そしてそれを使う、職人たちが京都にはたくさんいます。こうして、櫛は魂をもち、やがてかけがえのない「いっぴん」へと変わるのです。


■お店情報

十三や
京都市下京区四条通寺町東入13
075-211-0498

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