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今回のいっぴんは「京うちわ」! 暑い京都の夏。この季節に欠かせないのがうちわ。しかし、うちわの起源は位の高い人が光や人目を遮るために、顔を隠す道具として生まれたものでした。また、戦国時代になると武将が指揮をとるための「軍配うちわ」が登場します。江戸時代に入ると竹と紙を材料とするうちわが生まれ、日常の生活用品として庶民へと広がりました。江戸時代元禄二年に創業のうちわ専門店「阿以波」。「京うちわ」を作り続けている老舗です。京うちわの特徴は豪華絢爛な装飾。宮廷で用いられた「御所うちわ」がルーツのため、このようなきらびやかな装飾が施されるようになりました。手作業で作られる京うちわ。まず骨に用いる竹作りから始まります。そして、骨に薄く糊をつけ、紙を貼り付けていきます。続いて仮張り、念付け、へり取りなどの細かな工程の後、最後に差し柄をつけて完成です。京うちわはこうした職人の丁寧な手仕事で生まれます。 阿以波で創るもう一つの京うちわが「透かしうちわ」です。両面に透かしの模様を入れることで清涼感を感じさせる装飾用のうちわです。職人の高い技術によって生み出される繊細で華麗な京うちわは、目で涼を感じるとともに芸術鑑賞の喜びを与えてくれます。 京うちわは歴史の中で独自の発展を遂げ、芸術作品にまで上り詰めた日本文化の進化の証。これから先も時代とともにあり続けるのでしょう。 |
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■お店情報 阿以波 萬重 |
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