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第64回 湯気で心もあったまる かぶら蒸し

 
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今回のいっぴんは「かぶら蒸し」!

京都の冬は「京の底冷え」と言われてるように、とっても寒いんです。そんな寒い季節にほっこり頂きたいいっぴんといえば「かぶら蒸し」です。材料と言えば京都では、まるまるとした巨大な「聖護院かぶら」を使います。「聖護院」と名のつく京野菜にはもうひとつ「聖護院だいこん」がありますが、この二つ見分けがつかないほど見た目がそっくり!そしてこの二つの野菜の歴史にはおもしろいエピソードがあるんですよ。

「聖護院だいこん」のルーツは名古屋。江戸末期、尾張の国から持ち込まれた大根を田中屋喜兵衛という人物が聖護院にある自分の畑に植えたそうです。年月を経て、突然変異でまるまると太った大根ができるようになり、その大根が今日聖護院だいこんと呼ばれるものです。そして一方、聖護院かぶらのルーツは滋賀県にあります。同じく江戸末期、近江の国から持ち込まれた近江かぶらの種を伊勢屋利八という人が聖護院にある畑に蒔きました。するとしばらくすると独特のまるまるとした形のかぶらができたのです。これが現在の聖護院かぶらの起源です。しかも面白いことにこの田中屋喜兵衛と伊勢屋利八は顔見知りだったそうです。つまり二つとも同じ時代に聖護院という場所で突然生まれた野菜なんです!

すり下ろしたかぶらに様々な具材を混ぜて蒸した京都の冬の代表料理「かぶら蒸し」。今回は祇園にある「いし田」さんで作っていただきました。かぶら蒸しのその姿は京都の雪景色に見立てられて作られたもので、見立て料理の中でもたいへん美しいものだといいます。京都の料理人の職人に対する真髄が込められた料理なんですね。京都人の体も心も温めてくれるかぶら蒸し。これぞ京都の冬のいっぴんです。


■お店情報

祇園 いし田
京都市東山区花見小路新橋東入
075-525-1515

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