TOP 過去のいっぴん うらばなし プロフィール リンク ご感想
タイトル
過去のいっぴん

第52話 職人が産み出す色彩の美 京友禅 羽裏

 
画像
画像
画像

今回のいっぴんは「京友禅 羽裏」。皆さん、「羽裏」ってご存知でしょうか?羽織の裏地のことなんです。今回はこの京友禅の中の「羽裏」をご紹介しましょう。

まずは友禅の歴史から。友禅とは「宮崎友禅斎」という人の名前が由来です。江戸元禄時代に扇絵師として大変有名で、知恩院の側に居を構えていたと言われる宮崎友禅斎。呉服屋の依頼を受け着物に絵を描いたところ、京の都で大流行し、「友禅染」と呼ばれるようになりました。

江戸時代中期。幕府がたびたび贅沢禁止令を出し、派手な着物を着ることが出来なかった時代。裕福だった旦那衆の間で羽織の裏つまり「羽裏」に豪華な絵柄を忍ばせることが流行しました。「裏勝り」という言葉があり、羽裏や襦袢など見えないところにこそ趣向をこらし、贅を尽くすという着道楽の粋とも言えるものです。

明治創業の「岡重」は、現在も伝統的な技法で京友禅を手がけているお店です。京友禅は分業制で細かく分けると20数工程にもなります。各工程の職人たちの高い技術と情熱が優れた製品づくりを支えています。2代目の岡島重助は功績を認められ人間国宝の候補となった時、「友禅は一人のものではなく、多くの職人によってできるもので、一人が人間国宝になるのはおかしい」と言って辞退したそうです。

京都の「奥ゆかしさ」という美意識と時代が生み出した「羽裏」の文化。世界から支持され続ける「京の美」の真髄がここにあります。


■お店情報

岡重(ショールーム)
京都市中京区堀川通三条下ル橋浦町217番地の2
075-221-3502

すべてのいっぴん