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第47話 京のいとなみが香る にほひ袋

 
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今回のいっぴんは「にほひ袋」!
にほひ。そう、香りです。近年、香りがブームと言われています。アロマセラピーの人気とともに、香道や線香、にほひ袋など伝統的な香りへの興味も高まっているようです。

奈良時代、仏教とともに伝来した香りの文化は、平安時代に入り宮廷や貴族の間で大きく発展しました。正倉院には様々な香木とともに、にほひ袋の原型であると言われる「えび香」が今も大切に保存されています。

にほひ袋は白檀、丁子、桂皮など約10種類の香木を混ぜ合わせてひとつの袋に入れたもので、平安の時代から使われてきました。現代でも、そのにほひ袋を作り続けているお店があります。安政2年1855年創業の老舗、石黒香舗です。お店の扉を開けると、なんとも言えない香りが広がっています。お店の奥には、お客さんの注文で布や香りの種類を選んで作ってもらえる椅子が置かれています。このセミオーダーのにほひ袋、観光客をはじめ、若い女性にも人気のようです。

さてこのにほひ袋、箪笥の中に入れて着物に香りを移したり、かばんの中に忍ばせてほのかな香りを楽しみます。また着物の帯からぶら下げたり、車の中に吊るしたりと用途は様々。最近では携帯ストラップ型のにほひ袋もあり、携帯電話とともに香りも携帯することができます。一方、平安の時代から防虫として使われてきたように、現在も変わらず着物を着る人々から信頼されているようです。いい香りを放ちながら、虫から衣類を守ってくれる、一石二鳥のいっぴんです。

にほひ袋、目に見えない香りが重厚な存在感を感じさせてくれます。今回は京都のいとなみがそこはかとなく香る、そんないっぴん「にほひ袋」でした。


■お店情報

石黒香舗
京都市中京区三条通り柳馬場西入る
TEL 075-221-1781

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