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第45話 不思議なすだれ 御簾

 
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今日のいっぴんは、「御簾」!

もともと御簾は古くから神社や仏閣などで神の領域と下界を隔てる結界として用いられてきました。つまり、高貴な場所や祭壇などが1枚の御簾を隔てることで、神聖な場所となるわけです。そんな古きゆかりのある御簾を現代も作り続けているお店が京都にあります。

「みす平 前田平八」。寛政年間初期に創業した老舗で、京都御所をはじめ、八坂神社、北野天満宮など全国の有名な神社の御用達を務めています。数十年に一度といった頻度で取り替えられる御簾。代々受け継がれるのは御簾作りの技術だけではなく、「ここの神社に使う御簾の長さは…」「これに必要な技術を持った職人さんはどこにいるのか…」など、長い時を経た後に必要となる記憶でもあります。ご主人は「伝統なんて大それたことではなく、朝に歯を磨くのと同じような気持ちで御簾を作っています。そして、そういったことが親から子へ、子から孫へと受け継がれていくだけです。」と話してくださいました。

平安時代、ここ京の都で生まれた世界最古の恋愛長編小説「源氏物語」。この物語の中でも、御簾は重要な役割を果たしています。男女が御簾を隔ててしか会えなかった時代。簡単に乗り越えられるはずの御簾ですが、その一線を越えないというお互いの了解が存在した平和な時代に、御簾は風だけでなく心を通す道具として重要な意味を持っていました。

そして現代に受け継がれた御簾。今も京都に歴史の風、伝統の心を届けてくれます。


■お店情報

みす平 前田平八
下京区寺町通仏光寺北上る
075-351-2749

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