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第44話 涼やかな夏の甘味 くずきり

 
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今日のいっぴんはくずきり!京の夏、和菓子は葛や寒天を使って見た目にも涼やかで、おまけにつるんとした滑らかな舌触りのものが多くあります。そんな京の夏の甘味の代名詞でもある鍵善の「くずきり」をご紹介します。八坂神社の門前に店を構える「鍵善良房」。300年以上の歴史がある老舗中の老舗。透明で滑らか、そして黒蜜につけてつるつるっと…なんとも涼やかな一品です。

鍵善では、昭和初期からお茶屋や芝居小屋、ごく親しい文人墨客のみに出前をしていました。しかし、役者さんなどからもっとできたての新鮮なくずきりが食べたいと言われるようになり、当時あった2階の座敷で食べられるようにしたそうです。そして、この店でくずきりを食べることをこよなく愛したのが作家の水上勉。彼は「くずきりは京の味の王者だと思う」とまで言ったほどで、決まって二日酔いの朝にやってきて差し出されるくずきりに舌鼓を打ったそうです。

鍵善で使われている葛粉は奈良県にある創業400年の「森野吉野葛本舗」で作られた葛。鍵善ではこの手間ひまをかけて作られた吉野葛にこだわり続けていて、くずきりの滑らかな喉越しや食感、そしてコシの強さはとりわけこの吉野葛できまると言います。注文を受けてから作り始める鍵善のスタイルは昔と変わらず、新鮮さが勝負。手際よく凍りの入った器に入れられお客さんのもとへ。この新鮮さが奥の深いまろやかな甘さ、なのに後に残らずさっぱりとした味わいを生み出すのです。

京都の人たちはうだるような暑さの中で、少しでも涼を取ろうといろいろな工夫やアイデアを生みだしました。夏の暑さの中でこそ、美味しく頂ける京都の夏の甘味、くずきり。ぜひとも、汗をかきながらお店へ。食べたときのすっとした清涼感はまさにいっぴんです。


■お店情報

文の助茶屋
京都市東山区下河原通東入八坂上町373
075−561−1972

とらや
京都市上京区烏丸通一条角
075−441−3111

紫野源水
京都市北区北大路新町下ル西側
075−451−8857

ぎおん徳屋
京都府京都市東山区祇園町南側570−127
075−561−5554

鍵善良房
京都市東山区祇園町北側264番地
075−561−1818

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