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第25話 精進 潔斎・秘伝のお菓子 清浄歓喜団

 
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さて、その名も不思議な「清浄歓喜団」。昔から京都に伝わるといえど、はてさてどれくらいの人が知っているのでしょう?街の人々に聞いてみるとほとんどの方が御存知ない。実はどこにでも売っているお菓子ではありません。

ということで和菓子の老舗、「亀屋清永」にやってきました。創業は遠く元和(げんな)3年(1617)年と伝えられており大阪夏の陣の頃、すでに御所や寺社、武家への出入りを許されていました。店内に並ぶ、数々の寺社仏閣の名前を見ても、古くからの御用達として御菓子を納めていたことがうかがえます。清浄歓喜団とは奈良時代に遣唐使によって伝わった唐菓子(からくだもの)のひとつで団喜といわれるもの。密教(天台宗・真言宗)の祈祷の際に備えられる神饌菓子で「御団」(おだん)、「聖天」(しょうてん)さんとも呼ぶ。餡を7種の香を練りこんだ皮で包み油で揚げてあるものです。

ルーツをさがしにやってきたのは山科にある双林院、通称、山科聖天。ご本尊に大聖歓喜天をおまつりしています。大聖歓喜天とは古代シヴァ神の子でガネーシャという粗暴で邪悪な神だったものが十一面観音により仏教に帰依して護法神となったもので、頭像人身の異様な姿で表わされます。

でもなぜ清浄歓喜団と大聖歓喜天が関係あるかというと、歓喜天は清浄を尊び甘いものが好きで、甘味を具えると願意の成就がしやすいとされています。歓喜天の像として大根と砂金袋、きんちゃくを持ってえがかれているものもあり、大根は毒消し作用があるといわれることから清浄をあらわし、砂金袋はつまり福袋、福があるということをあらわし、福袋の形であるお菓子、清浄歓喜団を歓喜天さんにお供えすることが慣わしとなっています。

さてその清浄歓喜団をつくる、亀屋清永さん。月に8日から10日しかつくることをしない貴重なもの。精進潔斎、白い割烹着の上から全身お香を塗ります。身も心も清めるところからつくるお菓子。しかも製法は門外不出、作ることができるのは当主とその直系のみ。そんな秘伝のお菓子、清浄歓喜団。一度ご賞味あれ。


■お店情報

亀屋清永
京都市東山区祇園町南側五三四
075-561-2181

双林院(山科聖天)
京都市山科区安朱稲荷山町18-1
075-581-0036

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