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船鉾の神面改め(しんめんあらため)

船鉾のご神体は4体ありますが、代表として挙げられるのが、神功皇后(じんぐうこうごう)です。遠征中の天皇が海上で亡くなったときに、夫に代わって男装し、海軍を率いて勝利した…という伝説をもつ女性です。しかも、皇后はそのとき妊娠中で、凱旋後に後の応神天皇を出産したと伝えられています。そこから船鉾は、航海の安全と、安産に御利益をもつと言われています。

その神功皇后のご神体が、身につけるお面が、神面です。皇后の神面は、室町時代につくられた「本面」と、本面に似せて江戸時代につくられた「写し面」と呼ばれるものと、ふたつがあります。普段は厳重に保管されているこのふたつの面ですが、祭の季節を迎える毎年7月3日に面を取り出し、無事を確かめる儀式をおこないます。それが「神面改め」と呼ばれるものです。

「神面改め」の儀式は、羽織はかま姿の町関係者らが見守るなかで、たいへん厳かにおこなわれます。 まずは神事がおこなわれ、そのあと、保存会の役員が本面と写し面をそれぞれ木箱から取り出します。そして面を掲げて、周囲に披露します。

このふたつの神面を改める役員は、口に懐紙をくわえなくてはなりません。それは大切な神面に息がかからないようにという配慮してのことだそうです。

■巡行は写し面
実際に巡行のときに神功皇后がつけるのは写し面です。本面は、町内の方が携えて鉾に乗ります。この神面は、船鉾が誇る数ある宝のなかでいちばん貴重とされているもので、町内の方々の想いはひときわのようです。長い歴史のなかでは、大きな火事に見舞われ、山鉾を飾る品々、あるいは山鉾 自体が焼失してしまう、といったこともありましたが、船鉾町では町内の人がこの神面を抱きかかえて避難し、守り抜いた…というエピソードも残されているほどです。

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