
藤袴は、キク科の多年草で、万葉集に詠まれた秋の七草の一つです。
花は藤色がかった白で、平安時代から河原や野辺に咲く山野草として親しまれてきました。
乾燥させた藤袴は香料としても用いられ、往時の女性達は藤袴を香袋に入れ、十二単にしのばせていたようです。
やどりせし 人のかたみか 藤袴 わすられがたき 香ににほいつつ
(我が家に泊まっていった人の残した形見か、藤袴よ。忘れがたい香にしきりに匂って…)
--紀貫之・古今和歌集より--
藤袴の香を詠んだ代表的な歌です。
しかし、近年藤袴は、河川改修などによる環境の変化で減少し続け、環境省・京都府から保護、保全の対象として扱われています。
園芸種(藤袴とヒヨドリバナなどが交配したもの)は出回っていますが、野生種は、すっかり姿を消してしまいました。